浦和の歴史に名を残した関根の一撃 観戦の原口も「感動した。熱いゴール」と弟分称賛

関根を可愛がっていた原口が広島戦観戦

 浦和のロングドリブルからの決勝ゴールでは、2004年のジュビロ磐田戦で現日本代表主将のMF長谷部誠がアディショナルタイムに決めたものが語り草だ。また、同じ年には元日本代表FW永井雄一郎が東京ヴェルディ戦で自陣からの単独突破でゴールを決めた。そして、13年には日本代表FW原口元気がセレッソ大阪戦で自陣から70メートルのドリブルシュートを決めている。いずれも浦和でデビューした生え抜きドリブラーが決めてきたものだ。ジュニアユースから浦和で育った関根のゴールも、そうした歴史に名を残し、肩を並べる一撃になった。

 奇しくも、この日は欧州でのシーズンを終えた原口が古巣となる浦和のゲームを観戦に訪れていた。原口にとって関根は思い入れの強い存在だ。関根がデビューした2014年の6月に原口はドイツに渡ったが、その半年間で最も強気にドリブルを仕掛けるルーキーを可愛がっていたのが、同じく浦和の下部組織で育ってデビューした原口だった。

 シーズン開始前のキャンプでは、強引なまでに主力組のボール回しに関根を連れ込んだ。関根が一人で昼食を取っていると、「なんで一人でいるんだよ。こっちに来いよ」と自分たちのテーブルに招き入れたという。ドイツ移籍が現実味を帯びてからは、練習が終わった後に関根と何度なく1対1を繰り返し、原口は「どうだ」とばかりに抜き去って次々にシュートを決めた。そして「相当、悔しがってるから。あいつの将来は楽しみだよね」と置き土産のように、あるいは下部組織育ちのプライドを植え付けるようにして、旅立った。

 

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