W杯初出場国がミラクルを巻き起こす 仏1部活躍の大エース…前回覇者のグループで下剋上狙う|ヨルダン

ヨルダン代表のムーサ・アル=ターマリ【写真:アフロ】
ヨルダン代表のムーサ・アル=ターマリ【写真:アフロ】

ジャマル・セラミ監督が率いるヨルダン代表…大エースのムーサ・アル=ターマリに注目

 ワールドカップ(W杯)初出場となるヨルダンは、今大会で世界にインパクトを与えられるか。2023年に開催されたAFCアジアカップ・カタール大会では準優勝を果たした同代表の躍進は、ワールドクラスの選手にも太刀打ちできるレフティの活躍にかかっている。

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 FIFAランキング63位のヨルダンは、前大会王者のアルゼンチン(3位)、オーストリア(24位)、アルジェリア(28位)のグループJに組み分けられた。順位上でいえば、ヨルダンの4位敗退は濃厚と見られるだろう。ただヨルダンはこれまで格上を打ち倒してきただけに、今大会でミラクルを起こす可能性を秘めている。

 ヨルダンが日本に衝撃を与えた試合は、2004年アジア杯中国大会準々決勝だろう。1-1で前後半を終え、延長戦でも決着が付かずPK戦にもつれ込んだ。その際に不安定なピッチが影響して日本は2人連続で失敗し、絶体絶命のピンチへと追い込まれた。現在日本サッカー協会の会長を務める宮本恒靖キャプテンが主審に使用するゴールのチェンジを要求し、最終的にPK4-3で勝利した。予想に反してヨルダンに追い詰められた出来事は、多くの人間が記憶しているだろう。そして時を経て、ヨルダンはアジアで飛躍した。

 同国を率いる指揮官は、モロッコ人のジャマル・セラミ監督だ。モロッコのクラブチームや代表チームの暫定監督などを務め、2024年6月にヨルダン代表の監督に就任。個人の能力を生かした素早いカウンターが持ち味のチームを作り上げ、アジア最終予選では4勝4分2敗で韓国に次ぐ2位でW杯初出場を決めた。

 ヨルダンを説明する上で、欠かせない存在がいる。同国の大エースであるフランス1部スタッド・レンヌのFWムーサ・アル=ターマリだ。西アジア最高のレフティーと言われる同選手は、アジア杯準優勝の原動力となった。この大会で7試合3得点1アシストと活躍し、準決勝韓国戦では1得点1アシストの活躍により2-0で撃破。同国初となる決勝進出へと導いた。変幻自在の高速ドリブルでドイツ1部バイエルン・ミュンヘンの韓国代表DFキム・ミンジェを翻弄した。今季はフランス1部で33試合6得点9アシストと活躍し、レンヌのUEFAヨーロッパリーグ出場権獲得に一役買った。

 絶対的エースが攻撃を牽引し、その他の選手たちが汗かき役となってチーム一丸で守る戦い方を見せていた。近年は期待の20歳ストライカーであるクロアチア1部ロコモティヴァ・ザグレブのFWイブラヒム・ザブラが台頭してきており、前線でターマリとともに質の高いアタックを見せている。今年3月に開催された親善試合ではコスタリカ戦で2-2、ナイジェリア戦で2-2と、W杯で名を馳せた国々とも互角に渡り合って見せた。

 今大会で対戦するオーストリア、アルジェリア、アルゼンチンは格上だが、これまで韓国、オーストラリア、サウジアラビアとアジアの列強相手に大物食いをしてきたヨルダンはミラクルを起こせるかもしれない。アジア杯準優勝、W杯ストレートインと予想もしなかった結果を挙げてきた中東の新興勢力の下剋上から目が離せない。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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