1年生なのに…希望した背番号9「つけたい」 名門大進学の逸材「自分にプレッシャーを」

法政大の小泉ハーディ「プレッシャーも含めて、全ては自分の成長の過程として楽しんで」
今月、いよいよ全国各地で開幕した大学サッカーリーグ戦。プロ内定選手、これからプロを目指す選手、そして大学という新たなステージに移行した選手たちが全国各地で激闘を繰り広げる。
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ここでは大学サッカーのステージで躍動する選手たちをピックアップしていく。今回は関東大学サッカーリーグ1部から。今季、3年ぶりの1部復帰を果たした法政大は昨年1部で2位の国士舘大と開幕戦を戦って1-2で敗れたが、この試合で期待の1年生ストライカーが関東1部デビューを飾った。
後半43分、ピッチサイドに184センチの大型ストライカー・小泉ハーディが立ち、MF島田春人に代わってピッチに送り込まれた。
屈強なフィジカルとスピード、そして得点センスを兼ね揃えた期待の1年生ストライカーは、前線でターゲットマンとして同点ゴールを狙った。アディショナルタイムに左フリーキックが流れたところをMF松村晃助が右から折り返すが、ファーサイドで合わせきれず。デビュー戦ゴールはお預けとなった。
短い出場時間ゆえに結果を残すのは難しい。しかし、試合後の小泉の表情は悔しさに満ち溢れていた。
「1年生で開幕戦ゴールを決めることができたら、もっと注目される。僕はプロになるためにここに来たので、本気で狙っていました。晃助くんの折り返しは、もっといい準備ができていたら突っ込めたと思うので、あれは僕のミスです。本当に未熟だと思いました」
負けん気の強さは高校時代から変わらない。日体大柏高でも「どんな試合でも結果を出す」と貪欲にゴールを目指し、持ち前の身体能力を駆使して、前線で起点となったり、強引な突破からのシュート、クロスに反応してのワンタッチシュートだったりと、多彩な得点パターンでチームを救うゴールを決めてきた。
その貪欲さ、強い気持ちは背番号にも現れていた。開幕戦、小泉が背負っていたのは9番。1年生ながらエースストライカーの象徴的番号と言える9番を背負ったのは、自らの意思だった。
「法政は背番号を各自で決められるんですけど、4年生から決めていって、4、3、2、1年と学年が降りていくなかで、9番が余っていたんです。それを見て、『行けるんだったら1年生からつけたい』と思って9番を選びました」
いくら空いていたからと言って、1年目から9番を選ぶことは簡単なことではない。裏を返せば、自分の好きな背番号が決まっている選手以外は、上級生がつけたがらなかった番号とも言える。そのなかで小泉は「最初からつけたかったので、(空いているのは)ラッキーだなと思ったし、これはチャンスだなとも思いました」とポジティブに受け止めて選択をした。
もちろん、背負うことで生まれる責任は十分に理解をしている。
「昨年はデビくん(相澤デイビッド、ヴィッセル神戸)が背負っていた重い番号であるし、9番である以上、点を取らないと責任を果たしたとは言えない。だからこそ、きょうのような短い時間でも1回はチャンスが転がってくるので、そこを確実に仕留めないといけない。それができない僕はまだまだ甘いと思います。こうしてプレッシャーがまたかかるのは成長できるきっかけになると思うし、僕は自分にプレッシャーかけるのはけっこう好きなんです」
自分に敢えてプレッシャーをかけることで奮起を促す。9番もプロにならなければいけないという義務感も全て、自分を強くするためのマインドセットでもある。
「大学サッカーは本当にレベルが高い。高校のときはフィジカルや単純なスピードとかでなんとかなってきたのですが、上のレベルになるとそこに細かい駆け引きなどが追加される。それこそが自分にまだ足りない部分だと思うし、ここを磨くために毎日試行錯誤をして練習に取り組んでいます。練習のなかでうまくいかずに毎日悔しい思いができること自体、自分が何かを得ることができているのだと思っています。プレッシャーも含めて、全ては自分の成長の過程として楽しんでいきたいなと思います」
サッカー選手として成長するなかで、高校時代は特進クラスに入っていたように勉強も怠っていない。サッカーだけでなく、社会人としても国際的な活躍を目指している小泉は、経済学部で経済を学ぶ一方で、「英語はもともと得意なのですが、今はビジネス英語を学びたくて、TOEICもそうですし、細かい文法的な部分も勉強をしています」と新たなるチャレンジをしている。
ピッチ内外でポジティブなチャレンジを続ける小泉の大学サッカーが幕を開けた。ここから良いことも悪いことも経験していくだろう。だが、どんな状況でも小泉ならプラスに変えていってくれるはず。それだけのポテンシャルを持っている。
「1年目からもっと積極的に仕掛けて、ここから4年間、『法政の9番はハーディ』だと、法政の人たちもそうだし、他の大学の人たちにも思われるぐらい目立っていきたいです」
(安藤隆人 / Takahito Ando)
安藤隆人
あんどう・たかひと/岐阜県出身。大学卒業後、5年半の銀行員生活を経て、フリーサッカージャーナリストに。育成年代を大学1年から全国各地に足を伸ばして取材活動をスタートし、これまで本田圭佑、岡崎慎司、香川真司、南野拓実、中村敬斗など、往年の日本代表の中心メンバーを中学、高校時代から密着取材。著書は『走り続ける才能達 彼らと僕のサッカー人生』(実業之日本社)、早川史哉の半生を描いた『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』、カタールW杯のドキュメンタリー『ドーハの歓喜』(共に徳間書店)、など15作を数える。名城大学体育会蹴球部フットボールダイレクターも兼任。













