カズのベンチ外理由「コンディション的なところ」 スタンドから”ダービー”体感「いい雰囲気だったね」

カズがメンバー外の福島はいわきに1-3で敗戦
J3福島ユナイテッドFCのFWカズ(三浦知良)が、盛り上がる「福島ダービー」に刺激を受けた。福島は15日、百年構想リーグ第2節で同じ福島のJ2いわきFCとアウェーで対戦。カズはベンチ外となったが、スタンドから「ダービー」を堪能。1-3の敗戦に厳しい表情を見せながらも新天地、福島の特別な試合に酔った。
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いわきのホーム、ハワスタが燃えた。公式戦で4年ぶりの対戦とあってチケットは完売、過去最多の5058人が詰めかけた。リーダーの「今日は特別です」という声に、いわきサポーターが呼応する。気温18度と季節外れの温かさもあって、ハワイアンズスタジアムが「ハワイ化」。そんな、特別な空間をカズはスタンドで体感した。
開幕のJ2甲府戦に20分限定での先発出場。寺田周平監督の大胆な采配に手ごたえを感じていたカズだが、この日はベンチを外れた。寺田監督は「戦略的なところもあるので」と言葉を濁しながらも「コンディション的なところが大きいですかね」と説明。大きなケガではないと思われるが、この日は「休養」となった。
それでも、試合前には会場入り。ダービーに臨む選手たちに声をかけ続けた。ピッチに立たずとも自らの経験もまじえて若手を鼓舞。チームの一員として「ダービー」へ臨んだ。
カズにとって「ダービー」は特別だ。横浜FC時代は横浜Fマリノスとの「横浜ダービー」、昨季までのJFLアトレチコ鈴鹿時代はヴィアティン三重との「三重ダービー」、数多くの試合を経験し「カテゴリーや順位に関係なく、ダービーは特別なもの」と話していた。
特に、94年にセリエAのジェノアで経験したサンプドリアとの試合は特別だった。「1週間前から街が2つに分かれ、ダービーで染まる」と話した。イタリアの港町ジェノバ中心部にサポーターが多い古豪ジェノアと周辺地域に支持される新興サンプドリア。街の名所から「灯台ダービー」と呼ばれる試合は、ミラノのACミラン対インテル、ローマのASローマ対ラツィオなどに並んで熱かった。
そんな大一番に出場したカズは、アジア人のセリエA初ゴールをマーク。この一発で、一躍ジェノアの英雄になった。30年以上たった今でも「ダービーでゴールした日本人」として、多くのジェノバ人の記憶に残っているという。
そんな経験をしているからこそ「福島ダービー」を「すごく熱いと聞いている」と楽しみにしていた。ただ同じ地域というだけではない。営業戦略でもない。福島県内でも歴史や文化が異なる「中通り」福島と「浜通り」いわき。他県の人間には分からないライバル意識の激突は「なんちゃってダービー」とはわけが違う。
いわきの田村雄三監督は満員のスタンドに感謝し「ここでゲームができたことに感謝している」と勝利を喜んだ。福島の寺田監督は「サポーターに喜んでもらいたかったが、残念な気持ち」と、ともにダービーであることを意識して話した。
敗戦を見届けたカズはロッカールームで選手たちに声をかけ、労をねぎらった。試合には負けたが「すごく、いい雰囲気だったね」と福島ダービーの熱量に圧倒されたように話した。次戦は21日のアウェー大宮戦、4月12日にはホームの「福島ダービー」がある。58歳の福島FW、プロ41年目のシーズンは始まったばかりだ。
(荻島弘一/ Hirokazu Ogishima)
荻島弘一
おぎしま・ひろかず/1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者として五輪競技を担当。サッカーは日本リーグ時代からJリーグ発足、日本代表などを取材する。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰。20年に同新聞社を退社。





















