日本人FWの独走ドリブル弾「いい意味でびっくり」 代表OBも仰天…注目した”マインド”

【写真:REX/アフロ】
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【専門家の目|太田宏介】ブラックバーン大橋祐紀がドリブル弾

 イングランド2部ブラックバーンは現地時間13日、チャンピオンシップ第21節でポーツマスと対戦し、1-2で敗戦。この試合でFW大橋祐紀が今季6ゴール目となるドリブルでの個人技弾を決めた。このゴールについて元日本代表DF太田宏介氏が「いい意味でびっくり」と言及している。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 試合は前半32分、ブラックバーンが自陣でボールを奪ってカウンターを発動。左サイドに抜け出した大橋がボールを受けるとそのまま敵陣に侵入。自らドリブルでペナルティーエリア内まで切り込むと、2人のDFが寄せてくるも巧みにその間を割って入り、そのまま右足でフィニッシュ。相手GKも届かないコースにシュートを決めてみいせた。

 太田氏は「あまりJリーグではこういうプレーを見なかったからいい意味でびっくりしましたね」と触れ、「個の突破に対する意識がものすごく上がっている。チームの中で黒子役に徹するんじゃなくて、こうやって自分が主役になるんだと強気な姿勢でのドリブル突破は見ていて気持ちいいですよね」と仰天していた。

 大橋はボールを受けた時点からゴールへ一直線で向かっており、「ゴール自体も素晴らしいけど、おそらくここで仕掛けて中に上げるっていう選択肢は彼の中にはない気がしていて、マインドとしても絶対自分がシュートまで持っていくところが凄く素晴らしい」と、その姿勢を称賛している。

 さらに大橋は今季6ゴール目となったが、これまでクロスに飛び込んでのゴールなど1タッチでのフィニッシュが多く、ポーツマス戦でのドリブル突破からの一撃は珍しいプレーであった。

「海外移籍してプレーの幅を広げているなと思いましたね。裏に抜け出した時に、パス、クロスだけで終わるんじゃなくて、個人で勝負できてフィニッシュまで持っていける。その個の突破は求められてると思う。チャンピオンシップも年々レベルが上がってきて、フィジカル的な強度もものすごく高いリーグですし、スピードが速ければ通用するって問題でもない。そこで日本人らしい瞬敏さ、細かい技術で間を縫っていくドリブルの技術は素晴らしいなと思います」

 日本代表においても6月の招集を最後に遠ざかっているなか、「代表でも今左ウィングのところは、三笘選手が怪我していたりとか、中村敬斗選手は安定して仕事するし、相馬選手がいたりとか、最も激しいポジション争いかなと思う。どちらかというと、1トップで真ん中みたいなイメージを持っていましたけど、彼が左サイドもできる、プレーの幅を広げていることはここからのメンバー選考でいいアピールになったと思います」と、語った。

 最後に「チャンピオンシップで結果を残してプレミア行ったら最高ですよね。その先に代表も見えてくると思いますし、サプライズなるか注目ですね」と期待を寄せている。

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太田宏介

太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。

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