降格決定の瞬間…即オファーに驚き「えっ!」 想像していなかった「自分が日の丸を」

取材に応じたU-20日本代表・山口智監督【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
取材に応じたU-20日本代表・山口智監督【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

山口智監督「断る立場でもないので、チャレンジしてみようかと」

 SBSカップ国際ユースサッカーに出場するU-18日本代表が、12月15日から静岡県内でキャンプを開始した。2027年にアゼルバイジャン、ウズベキスタンで行われるU-20ワールドカップを目指すU-20日本代表の指揮官に就任した山口智監督も始動。取材に応じ、「えっという感じでした」と就任の経緯を明かした。

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 現役時代はジェフユナイテッド千葉・市原、ガンバ大阪、 京都サンガF.C.でプレーした山口監督。2015シーズン限りで現役引退後は、G大阪の強化スタッフ、コーチなどを歴任。2021年に湘南ベルマーレのコーチになると、同年9月から監督を務めた。しかし、今季はJ2降格となり、10月に退任が発表された。

「残留させられなかったなかで、降格が決まった瞬間に連絡をいただいて。オファーではなかったんですけど、そういう連絡をいただいて。オファーまでそんなに時間もないなかでくれました」

 このように、就任までの経緯を明かした山口監督。「嫌とかそういうことではなくて、自分のなかでは想像は全くしていなかったですし、自分が日の丸を背負って指導者としてというのは全く描けていなかったことで」と驚きもあったとし、最初の連絡には「えっ! という感じでした」と正直な感想も話した。

「ただ、しっかり話をしてくれるなかで、湘南の活動であったり、自分の評価というのは、しっかりしてくれていたし、見てくれていたというのはあったので。自分は残留させられなかった人間なので、光栄なことを断る立場でもないので、チャレンジしてみようかという感じでしたね」

 湘南ではFW町野修斗、DF鈴木淳之介らを開花させた手腕でも知られる山口監督。「自分の接し方含めてヒントの与え方としては、湘南でやって学べたこともたくさんあったし、逆に難しかったこともたくさんあった。単純にそういう選手たちが、ああやって活躍してくれることで得たヒントもある」と振り返る。

 そして、大切にしているのは「見抜いてあげること」。それは上手い下手ではなく、「目ですよね。目と行動。スイッチ入るときに目が変わるので」と山口監督。「代表活動中はすごくみんなギラギラしていると思うので、クラブに帰ってもそれを継続できる選手というのは必ず大成すると思います」と語る。

「ただ、求められるものがそれぞれチームのなかにあるので、サッカーの本質を自分は伝えたいと思いますし、そのなかで何かヒントを与えていければというのは、自分のなかにはあります。行動する選手、チャレンジする選手はやっぱりいい選手だと思います」

 今回は初対面の選手がほとんどだが、「そういうの絶対に見逃さないようにしないといけないと思うので」と緊張感を持って臨む。初日から大きな声で身振り手振りも交えて熱く指導し、「その瞬間瞬間でやっぱりプレーに現れるので、そういうのは絶対に拾うようにしています」とその言葉通りの姿を見せた。

「ダメな選手はダメというか足りないので、それはすごくやっていて感じるところ。いくら代表とかに呼ばれても、ダメというか足りない選手はやっぱりたくさんいる。そういうのをいい方に持っていくのは僕の仕事だと思うので、そこは選手全員に対して拾っていきたいし、逃したくないなとは思っています」

 自身も1997年のワールドユースに出場。「高揚感であったり、緊張感であったり、ちょっと恥ずかしさであったりというのは懐かしいなと思いました」と当時を思い出した。練習着の日の丸を触り、「こういうのに着替えるのも、自分はそんなに関わってきた人間でもないので光栄なところもあります」と話す。

「ただそんなことはもうどうでもいいというか、自分のことは。というのは真っ先にまず選手を知って、選手をどうするのかというのと、自分は指針を示してというところの方があるので。まだ分からないことだらけなので、やりながらというところが1番大きいんですけど」

 それでも当時は「とにかく必死だったという自負はあった」と、28年前を振り返る。その分、「別に自分と比べることはないですけど、そういう選手になってもらいたいなと思いますし、それはサッカーで返ってくるものだと思う」と選手に求めるハードルは高い。まずは、18日からのSBSカップに挑んでいく。

(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)



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