序列下位、アジア杯から“逆襲”成功 1年10か月でスタメン争いへ…屈辱バネの2人が遂げた急成長

佐野海舟と渡辺剛はアジア杯で悔しさを味わった
森保一監督率いる日本代表は2-0で完勝した国際親善試合ガーナ戦から一夜明けた11月15日、千葉県内で練習した。18日には国立競技場で行われるボリビア戦を控えるなか、“新戦力”の台頭が目立っている。1年10か月前、屈辱のベスト8に終わったアジアカップでは出番が少なく悔しさを滲ませていたMF佐野海舟とDF渡辺剛は“逆襲”の如く、急成長を遂げている。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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北中米ワールドカップ(W杯)まで残り7か月。目前に迫っているなかで、佐野と渡辺は大きな存在感を示した。ガーナ戦で先発起用されると、佐野はボランチで持ち味のボール奪取力に加えてアシストも記録。渡辺は安定した守備を見せて、アフリカ勢を完封した。この日は室内での調整のみで終了。練習場近くのイベント会場では花火が上がっており、日本の門出を祝福しているようだった。
「守備の面では自分の良さを出したと思いますし、前半の部分は特に簡単なミスが多かったので、1試合通してもっとレベルの高いプレーを保てるように意識してやりたい。毎試合自分のハイパフォーマンスを出し続けていきながらどんどん違った自分を見せていかないといけない。昨日はアシストという攻撃の面で今までの自分と違ったものを見せられたと思うので次の試合も出していきたい」(佐野)
1年10か月前、森保ジャパンがアジアの壁にぶつかったことは記憶に新しい。ただ、そのなかで出場機会に恵まれず、より一層悔しさを募らせていたのが佐野と渡辺だった。佐野は直前の23年11月に日本代表に招集されたばかりで、アジア杯は途中から2試合に出場。渡辺はベンチ外もありながらインドネシア戦に途中出場しただけだった。当時はそれぞれのポジションの中で序列が低かった2人がW杯7か月前で想像も絶する飛躍を遂げた。
渡辺はアジア杯について「やっぱり頼られなかったというのは自分の中でも悔しいし、何もできなかったアジア杯だった。そこはやっぱ悔いもあるし、もっと何かできたんじゃないかなと。自分ももっと良いパフォーマンスしてたらチャンスあったのかなというのはあったんですけど。でもその経験が今に繋がっているというのも間違いなくあります」と話していた。佐野も「周りの成長スピードが速いので負けないように必死についていった。出た課題に対して自チームに帰って修正して次の活動に頑張る繰り返しだった」と、当時から自身を見つめた結果、逆転と呼べる現在地まで上り詰めたと説明した。
ボランチは遠藤航、守田英正、田中碧、鎌田大地、藤田譲瑠チマ……。センターバックは怪我人だけでも冨安健洋、町田浩樹、伊藤洋輝がいて、ガーナ戦でベンチを温めた板倉滉ら経験豊富な中堅が多い。2人のキャップ数は11試合(佐野)と8試合(渡辺)で劣る部分はあるものの、何より1年10か月の日々でここまで来た勢いがある。
それだけでチームに与える影響は大きい。アジア杯からの逆襲ーー。それは日本代表全体だけではなく、2人に共通することでもあった。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)












