電撃移籍から3か月「まだ探りながら」 新天地デビュー…期待する”融合”「弱い時から時代を築いた」

ベレーザの猶本光【写真:(C) WE LEAGUE】
ベレーザの猶本光【写真:(C) WE LEAGUE】

猶本光がベレーザデビュー

 WEリーグは10月11日に各地で第10節の試合が行われ、暫定首位の日テレ・東京ヴェルディベレーザはRB大宮アルディージャWOMENと2-2で引き分けた。2試合連続の勝ち点1でやや足踏みとなったが、今季加入のMF猶本光が負傷から復帰してベレーザでのデビューとなった。

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 先制を許すも前半の内に逆転して2-1でリードしたベレーザだが、後半24分に同点ゴールを許した。その後、敵陣に押し込んだ状態での攻撃を仕掛ける時間帯を作ったが、そのまま引き分けた。楠瀬直木監督は「ゴールに近付こうという思いが大事なので、その中でいくのは良いけど、ラインの裏に走るとか、ボールの前に走るとか、スルーパスを受けるような動きが、トレーニングをしているけどなかなか出ない。ボールを持てるがゆえに自分が何とかしようとして、それも大事だけどジレンマ」と、もどかしさを口にした。

 そうした中での朗報は後半28分から出場の猶本だった。今季に向け楠瀬監督、MF塩越柚歩と共に三菱重工浦和レッズレディースからベレーザへ移籍した猶本だが、出場は浦和時代の昨季5月11日のゲームに途中出場して以来だった。2024年1月に左膝前十字靭帯損傷の重傷で長期離脱を余儀なくされ、約1年後の今年1月に皇后杯の準決勝以降の試合に復帰していたが、なかなか状態が安定しなかった。

 楠瀬監督は「レッズの時に復帰して、復帰はしたけど痛めてしまって長引いた。同じチームにいくことになって、怪我の経緯も知っていますからね。それでもかなり時間が掛かって苦しい思いをしています。ベレーザでは半年だけど、その前に1年あったわけですし、今回ゲームに入れられる手応えを得られたのは嬉しかった。まだ試合勘は戻ってないけど、塩越がフィットしたように、その年代が少ない。そこにプロフェッショナルなメンタルを持った猶本が復帰してくれるのは大きいと思います」と、前所属チームから見ているからこその言葉も残した

 負傷明けであり移籍からの初出場だけに、猶本も「まだみんなとサッカーして2週間ぐらいだったので、外から見てこういう特徴があるのかなとか、そういうイメージはしていましたけど、この選手だったらこうなる、ある程度このボールが来る、来そうな場所とかを予想して動くのは、まだ探りながら」と、現状を話す。一方で、若く才能ある選手も多いベレーザでの今後について、楠瀬監督の期待も踏まえ話した。

「一緒にこういうプレーをやっていこうよ、とやっていけたら。ユズ(塩越)もそうですけど、レッズが弱い時から強い時代を築いたところまでを知ってる身としては、どういう雰囲気が強いチームなのかとか、そういうものを言葉でするのは難しいけど、見て感じてきているので。そういうのを示すじゃないけど、言葉1つにしてもどういう風に言ったらチームがうまく回るのかとか、そういうのを見て感じてくれたらいいなとは思いますね。そうやってレッズの若い子たちも成長していったと思うし、一緒に高め合えたら」と話した。

 将来を嘱望される18歳のMF眞城美春は、猶本とのプレーについて「光さんは特に、自分がやりたいサッカーっていうのがハッキリしてるというか、自分にもみんなに伝えてくれるところがあるので、受け入れつつ融合できたらいいなと思います」と話した。

 WEリーグではまだ珍しいトップを争うライバルクラブ間での移籍になったが、猶本は「ベレーザは日本の女子サッカーを引っ張ってきたクラブでもあるし新しい学びという意味で、レッズも大きいクラブであるんですけど、そうやって移籍して、今まで女子サッカー界をずっと引っ張ってきたクラブがどういうものなのか、また新しいものを見させてもらってるなと思います」と前向きにも捉えた。今後、出場機会を増やす中でどのような変化がベレーザにも猶本自身にも起こるのかが注目される。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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