レッドブル買収で起こった変化「なるほどねと」 期待する”海外方式”「取り入れられたらいい」

大宮DF市原吏音がレッドブル買収後の変化を明かした
2025シーズンのJ2リーグで、RB大宮アルディージャは9月23日現在、勝ち点47で8位につけている。自動昇格圏内である首位の水戸ホーリーホック(勝ち点55)と2位のV・ファーレン長崎(同55)とは、勝ち点「8」の差がある。また、プレーオフ圏内は3位・ジェフユナイテッド千葉(同54)、4位・ベガルタ仙台(同51)、5位・サガン鳥栖(同49)、であり、昨季のJ3優勝J2昇格に続く、2年連続での昇格を狙えるチャンスは十分にある。チームの最終ラインを束ねるU-20日本代表DF市原吏音は、「僕は今年も自分たちが絶対に勝たないといけないと思っています」と語り、その理由の一つとして2024年9月9月に外資系企業のレッドブルが、経営権を取得した影響を挙げた。(取材・文=河合拓/全4回中の第3回)
【PR】DAZNを半額で視聴可能な学生向け「ABEMA de DAZN 学割プラン」が新登場!
◇ ◇ ◇
昨季のJ3を25勝10分け3敗(勝ち点85)で制した大宮は同リーグの優勝候補の筆頭であり、勝つことが義務付けられる立ち位置だった。2年ぶりにJ2に戻った今季も、J2の優勝争いを繰り広げるクラブの一つとして見られていたが、カテゴリーが上がったことでピッチに立つ選手の意識は変わったのか。
「レッドブルが入ったことで、より注目されていますし、前半戦の結果を見ても僕たちが受け身になっているわけではないのですが、やっぱり対戦相手はみんな『大宮を倒す!』みたいな感じで試合に臨んできていると感じます。相手のモチベーションも高い分、楽しさも増えています。それは、いいことなんじゃないかなと思っていますね。そうやってきてくれる方が、自分たちもより燃えますし、見ている人たちも楽しいと思うので。そこで勝てたら、ベストかなと思います」
ジュニア年代から大宮の下部組織に入り、これまで大宮一筋のキャリアを歩んで生きた市原だが、2歳年上の兄・未藍もユース年代まで大宮でプレーしていた。「地元が大宮なので、家からスクールも近かったから大宮アルディージャのスクールに入りました。兄貴もアカデミーに入ったので、続いて自分もっていう感じですね」と、入団の経緯を振り返る。
毎週のようにスタジアムへ足を運んだ少年時代
当時はオレンジ色のユニフォームを着てプレーするだけではなく、トップチームの試合もスタンドから観戦していた。「子供の頃は、試合をめちゃくちゃ見に行っていましたね。毎週……は嘘かな。でも小さい時は毎週に近いくらい、結構NACK5スタジアム大宮で試合がある時は見に来てスタンドで応援していました。ちょうどラファエルがいた頃とか。一番、記憶にあるのはノヴァコヴィッチやズラタンがいた時代。そのあとも、ムルジャとか、家長(昭博・現川崎)さんとか、江坂(任・現岡山)さん、泉澤(仁・現岐阜)さん、金澤(慎・現U-18コーチ)さん、カルリーニョスもスタンドから応援していました」と、2016年シーズンに過去最高成績となったJ1リーグ5位となった頃のチームを思い返した。
長く良い時期のクラブを見ていた経験もあるため、憧れた選手もいたのかと思いきや「うーん」と長考に入ったのちに「憧れはいないですね。あんまりいないです」と答え、「自分がアカデミーの選手たちに憧れてもらえる選手になるように頑張ります」と笑った。
これだけ身近に、長くピッチ内外から大宮を見てきた市原は、レッドブルが買収したあとのクラブの変化をどのように感じているのか。
「レッドブルが入っての変化……。まずはクラブハウスでレッドブルが飲み放題になったことですね」と、対戦相手の意識の変化の次にクラブハウス内でのことを挙げた。さらに「あとは、お金の掛け方、SNSの使い方とかは、うまいなって思います。僕自身が何かSNSを見て感じているというわけではないんですが、話を聞いて『なるほどね』と思うところがありました。あとは、うちは若手がどんどん下から上がってくるチームなので、そういうのも海外のやり方を取り入れられたらいいんじゃないですかね」と、今後は自身の後輩となるアカデミー出身の選手たちにも、レッドブル傘下となったことにより好影響が出てくることを期待した。
クラブの運営面やSNSでの発信方法など、幅広く興味を持っていることに驚くと、「大宮のことが好きなんで。自分を育ててくれたクラブですし、気になるというか勝手に情報を集めてしまうって感じです」と、生粋の大宮っ子は白い歯を見せた。



















