元フットサル日本代表の吉川智貴が今季限りでの引退を発表 数々のタイトルを獲得…18年のキャリアに幕

名古屋オーシャンズが31日に発表した
日本フットサル史上最高の選手と称された男が引退する。名古屋オーシャンズは8月31日、元フットサル日本代表であり、現在もクラブのキャプテンを務めるFP吉川智貴が2025-26シーズン限りで現役を引退することを発表した。
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クラブを通じて吉川は「今シーズンをもって現役を引退します。小さい頃からボールを追いかけ、18歳でフットサルに出会い約20年、とにかくがむしゃらに駆け抜けてきました。名古屋オーシャンズというクラブで沢山のタイトルを勝ち取れたこと、日本代表としてプレーできたこと、その中でたくさんの喜びと共にたくさんの悔しさを味わいました。すべての経験が自分の財産であり、何にも変えられないものです」と、自身のキャリアを振り返った。
そして、「選手として一番長い時間を過ごしたこの素晴らしいクラブで引退できることはほんとに幸せなことですし、最後に笑って終えれるように残りのシーズンを食いなく過ごしたいと思います。みなさんにはそれぞれ直接しっかりと感謝を伝えたいので、是非試合を見に会場に足を運んでください。そして、最後まで共に闘い優勝を勝ち取りましょう!」と、昨シーズン逃したリーグ優勝を果たし、有終の美を飾ることを宣言した。
波乱万丈のキャリアだった。草津東高サッカー部で3年時の全国高校サッカー選手権では、滋賀県大会の決勝に進出。あと1勝で全国大会というところで、元日本代表MF乾貴士を擁し、全国大会2連覇を目指す野洲高校に敗れて延長戦の末に敗れた。同志社大学に進学すると本格的にフットサルをはじめ、全日本大学フットサル選手権で準優勝となる。
そして2009年にはバサジィ大分に加入し、フットサルの全国リーグであるFリーグへの挑戦をスタートさせた。大分で2シーズン、デウソン神戸で3シーズンを過ごした吉川は、当時日本で唯一のプロクラブだった名古屋からオファーを受け、チームに加入する。すでに2011年からはフットサル日本代表にも選出されて、国際舞台でも経験を積み、着実に力をつけていたなか、プロの環境に身を置いたことで潜在能力が一気に開花していった。
名古屋で数々のタイトルを獲得し、2015-16シーズンから世界最高峰のスペインリーグのマグナ・グルペアへ活躍の場を移す。そこでもプレーオフ進出に貢献し、「史上最高の日本人選手」と高い評価を受けた。2018-19シーズンには、前年に初めてリーグ優勝を逃した名古屋に復帰。絶対王者再建の旗手となり、チームを立て直していった。
フットサル日本代表でも中心選手として、2014年と2022年のフットサル・アジアカップ優勝を成し遂げる。2021年には悲願のFIFAフットサルW杯出場も果たした。その一方で2016年と2024年にはフットサルW杯のアジア予選敗退を経験。2024-25シーズンには名古屋でも初めてリーグ優勝を逃しており、彼の言葉にもあったようにとてつもなく大きな「悔しさ」を味わうキャリアでもなった。
引退後もフットサル界に携わっていく予定であり、現役時代以上の活躍に期待がかかる。その前にまずは36歳となった今も、名古屋の心臓としてフル稼働している吉川のラストダンスを目に焼き付けたい。




















