浦和と鹿島の頂上決戦で“二人のシルバ”が激突 「彼をフリーにさせてはいけない」と最大級の警戒

「彼をフリーにさせてはいけない」と警戒

 若くしてブラジルからスイスに渡り、さらに日本へ。ラファエルにとって不安ばかりの生活を支えてくれたのがレオだった。チームでは自身にパスを出してくれる存在であり、ピッチの外では頼れる存在。だからこそ、対戦相手のボランチとストライカーという関係で、互いに攻守のキープレーヤーとしてマッチアップするゲームに対し、警戒感と高揚感を語った。

「とにかく、彼をフリーにさせてはいけない。彼のインテリジェンスあるプレーは僕らの脅威になる。とにかく、集中してゲームに臨まなくてはならないし、守備にも責任感を持って相手の強みを抑えなければ」

 浦和の攻撃力は、後方からの丁寧なビルドアップを前線の破壊力につなげることで実現される。ラファエルに多くのボールが入り鹿島の最終ラインにプレッシャーを与え続ければ、より浦和がゴールに近づく。一方で、鹿島の武器であるカウンターは、高い位置でボールを奪えば奪うほど威力を増す。レオのボール奪取能力と攻撃の起点になるプレーは、浦和の攻撃を寸断するだけでなく鹿島の攻撃のスタート地点になる。互いに、チームの浮沈を握る存在になる。

 前売りチケット約5万9000枚がすでに完売し、超満員の埼玉スタジアムで実現する二人のシルバによる直接対決。Jリーグ屈指のストライカーとボランチの激突は、頂上決戦の大きなポイントになりそうだ。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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