記憶飛ぶほどの“鬼メニュー”「何したっけ」 怒りの指揮官「いつもと違っていた」…意地示した7年ぶり白星

大阪ダービー勝利でガッツポーズのダニエル・ポヤトス監督【写真:柳瀬心祐】
大阪ダービー勝利でガッツポーズのダニエル・ポヤトス監督【写真:柳瀬心祐】

G大阪はC大阪との大阪ダービーで2018年以来の7年ぶりとなるアウェー勝利

 ガンバ大阪は7月5日、J1リーグ第23節でセレッソ大阪と対戦して1-0の勝利を収めた。50回目の大阪ダービーは意地と意地がぶつかる好ゲーム。DF半田陸が魂のゴールを押し込んで2018年以来、7年ぶりの敵地で白星を手繰り寄せた。

 これがプライドだ。大阪の街が熱くなる夜。相手の迫力ある攻撃をシャットアウトして、後半へとつなげた。両軍がお互いに攻め立て、決定機を作るも仕留められない。迎えた同25分、コーナーキック(CK)の流れから拾ったMF満田誠がフリーのMFネタ・ラヴィにパスを供給。ネタ・ラヴィのシュートを半田が背中でコースを変えて流し込んだ。待望の先制点。紛れもない、全員で掴み取った1点を何が何でも守らなければならない。ラスト1秒までーー。走り切って絶対負けられない戦いに勝ちきった。

 大阪ダービーで幕を開けた今季の開幕戦ではホームで2-5の歴史的大敗。直近の前節・京都サンガF.C.戦でも1-3の完敗を喫していた。この京都戦はチームにとってショッキングなもので、ダニエル・ポヤトス監督は「2度と引き起こしてはいけない」と週頭の練習からこれにでもない厳しいメニューを選手たちに提示した。

 DF福岡将太は「初日がすごくキツくて、ピリっとした空気を作ってくれたのがダニ(ポヤトス監督)だった。体力的に、僕はメンタル的にもキツかった。特にディフェンス陣は何したっけ……と思うぐらい本当にキツかった。普段穏やかなダニもかなり厳しく言っていて、いつもとは違っていた」と、大阪ダービーに向けて引き締めていたと明かした。

 悔しさ、怒り、反骨心……1週間のトレーニング期間で気持ちを1つにして臨んだ大阪ダービー。このプライドを懸けた一戦に初めて臨んだMF安部柊斗も「今までやってきたダービーの中でも一番気持ちが入ったダービーだった。それはサポーターがそういう雰囲気を作ってくれたから。セレッソに負けられないというのは自分もバスを降りた瞬間から感じていた。サポーターがそういう思いにさせてくれた」と闘志を燃やした。

 昨年は大阪ダービーに勝ってから8戦負けなし(6勝2分)で、上位進出へのきっかけを掴んだ。この日の勝利もここからの上昇気流を予感させる、そんな一戦になった。

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