元J指揮官が初の海外挑戦 韓国名門を再建へ白羽の矢…現地期待「多様な戦術を持ち込める」

井原正巳氏が水原三星のコーチに就任
元日本代表DF井原正巳氏が、韓国2部水原三星のコーチに就任することを自身の公式サイトで発表した。韓国メディア「Daum」では、ビザの発行後に正式着任の見通しとしたうえで、「日本のホン・ミョンボ」と現役時代の好敵手で韓国代表監督も務めたレジェンドと対比している。
井原氏は6月28日に「この度、7月から、韓国のKリーグ、水原三星ブルーウィングスにコーチとして加わることになりました。自分にとって、初めての海外挑戦、新しいチャレンジですが、自分を必要として頂いた事に感謝し、チームの目標達成に貢献できるように最大限の力を注ぎたいと思います」と、公式サイトで発表していた。
記事では、クラブ関係者は「今週のうちに井原コーチに対するビザが発行されれば選任が確定するだろう」としたほか、井原コーチ招聘の理由について「今季の初めからチーム内で多様な戦術を持ち込めるコーチの必要性が議論された。特にビョン・ソンファン監督がアドバイスを得られ、違う角度からアプローチできるリーダーの存在を欲した。国籍、年齢を問わずにさまざまな指導者と接触したが、井原コーチと合意した」と話したという。
さらに、そのクラブ関係者は「すでに井原コーチは日本で映像を用いて水原三星の試合や選手の分析作業をしている。現役時代から守備で名声を得たコーチだけに、ビョン・ソンファン監督の期待も大きい」と話しているという。
また、記事では井原コーチについて、「井原氏は日本サッカーの象徴的存在だ。現役時代はセンターバックとして日本代表の中核を担い、国際Aマッチ122試合に出場した。『日本のホン・ミョンボ』とも称された存在であり、1998年フランスW杯では日本代表主将として同国初のW杯出場を牽引した」と紹介している。
ホン・ミョンボ氏は当時の韓国代表で中心的なDFで、現役時代は柏レイソルでもプレー。引退後は指導者として韓国代表の監督も務めた経験を持つ。
かつてAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の常連だった水原三星だが、昨季はまさかの2部降格。今季は2部で18試合を終え37得点と1試合平均2得点を超える攻撃力を見せるも、22失点が響き2位につけている。首位の仁川ユナイテッドを勝ち点10差で追う状況だが、井原コーチには守備の立て直しが求められるようだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)