監督交代→初陣で敗戦も「今まで以上に良いもの」 上位との差を痛感…降格圏脱出へ「このチームのために」

新潟がチーム全体として得た手応え
アルビレックス新潟は6月25日、延期分のJ1リーグ第15節で川崎フロンターレと対戦し1-3で敗れた。試合後の会見で、初采配となった入江徹監督は敗戦のなかでも、「少し自分たちの中でも手応えみたいなものは掴むことができた」と試合を総括した。
試合は前半12分、MF脇坂泰斗が直接FKを決めると、同35分には、左サイドで得たFKからDFジェジエウの折り返しにFW神田奏真が反応。泥臭く押し込んで川崎が2点リードする展開になると、後半アディショナルタイム1分にMF大関友翔が3点目を決めてダメ押し弾。同5分に途中出場のMF奥村仁が1点を返したが、1-3でタイムアップ。新潟はリーグ2連敗となった。
前半は新潟がボールを保持する展開から、川崎のブロックを崩すことができず、攻撃に停滞感が感じられる時間が長かった。入江監督が試合後の会見で「修正をかけたところがうまくいくようになった」と話した通り、選手の交代も含めて、後半は左サイドを中心にコンビネーションから相手ゴールに迫るシーンを増やしていった。
「攻撃のことに関して、準備段階では、全部を全部、植え付けることは、なかなか正直難しかったんですけども、それでもハーフタイムに、修正をかけたところがうまくいくようになった。そして結果的にすごいチャンスというものが生まれたと思う」
前半にはDF堀米悠斗のアーリークロスからFW小野裕二が左ポストに当てるシュートを放ち、後半には奥村が反転ターンから放ったシュートもポストに当たるなど、チャンスはあったが決め切ることができなかった。入江監督が「決定力のところで、あとはそこのをどれだけ回数を増やせるか」と課題について話せば、小野も自身のチャンスシーンを振り返りながら「ああいうボールっていうのをもっと積極的に狙っていく必要ある」とした。
小野にとっては5月3日のリーグ戦第14節FC東京戦以来のスタメン出場。チームが敗れたなかでも、「試合全体として何かネガティブな要素があったかっていうと、そこはあんまり感じなかった」と振り返り、「ファイティングポーズを取ってゲームに入れた」とチームの姿勢を評価した。
「結果的に今日勝てなかったんですけど、ただ最後までしっかりファイティングポーズを取ってゲームに入れたんじゃないかなと思うし、それをしっかりいかに結果に持って来るかっていうところを、自分たちにしっかりプレッシャーかけてやっていければいいかなと思います」
そのなかで、DF稲村隼翔は「すごく嫌だなと感じてた」と、リーグ上位につける川崎の選手と差があったことを感じながらも、継続していかなければならないチームとしての形について話した。
「川崎の選手はすごく、ミスしてもすぐ切り替えだったり、守備の陣形を整える速さがすごく嫌だなと感じていたので、そこは見習わないといけないとこだと思います。ただ、ネガティブなところだけじゃなくて、攻撃のビルドアップっていうのは、すごく今まで以上に良いものが出来てたと思うんで、そこは継続したいなっていう風に思います」
稲村はシーズン途中の監督交代について「いろんなことを要求してもらいましたし、すごく成長させてもらったと思ってる」と樹森大介前監督への思いを話し、「こういう結果になってしまって、申し訳ないなっていうのはすごく思います」と素直な心境を明かした。
そして、「ただ、こういう世界なんで、あることだとは思いますし。今は入江さんになって、本当にこのチームのためにやるしかないっていう思いは、すごく強いです」とJ1残留を果たすため、チームの力になることを誓った。
この試合には平日のナイトゲームながらも多くの新潟サポーターが「Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu」に訪れた。後半の飲水タイムには「Sombrero」の大合唱がアウェースタジアムに響き渡り、2点を追いかける選手たちの後押しになった。
入江監督は29日のFC町田ゼルビア戦に向けて「今日の後半は特にすごい手応えを掴んでくれたのかなというのをすごい感じています。自分たちで崩せるか、どういう手法が必要かというのを考えながらやっていきたい」と前を向いた。
(FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真 / Takuma Uehara)