「今日、なんかした?」で苦笑い 前日に得た「なんとなく」の感覚…完璧タッチから「上手く判断できた」

新井悠太が京都戦で圧巻ゴールを決めてみせた【写真:徳原隆元】
新井悠太が京都戦で圧巻ゴールを決めてみせた【写真:徳原隆元】

新井悠太が値千金の決勝ゴール

 東京ヴェルディは5月25日、J1リーグ第18節で京都サンガF.C.と対戦し、1-0で勝利した。両チームとも互いにプレッシングを掛け合う激しい展開のなか、京都は後半22分にMF平戸太貴が退場になる。数的不利となった京都が守備を固めてカウンターを狙う展開になり、攻略するのが難しくなった東京Vだったが、後半アディショナルタイムにMF新井悠太がチームを救う一撃を決めた。

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 CKのこぼれ球をエリア外で拾った新井がボールをコントロールすると、迷いなく右足を振り抜いた。「ボールもシューターも何も見えなかった」というGK太田岳志は懸命に反応したが、鋭い弾道のシュートがゴール左に決まった。

「CKの時のポジションが真ん中からファーサイドに変わったことで、アウトスイングのボールに対して前の選手の状況を見ながら、前に入り込むか、ここで狙うか、というのをうまく判断できました。ファーストタッチがうまくいって、間接視野で相手を見ながらニアを打ち抜いた感じです」と振り返った。

 冷静にニアサイドにシュートを飛ばしたが、ファーサイドを狙う考えも頭をよぎっていたという。

「ルヴァン杯で1回、カットインしてファーサイドが空いていたのに、ニアで思い切り打ってしまったシーンがあって、ちょっとファーもよぎったのですが、どちらかというとファーに相手がいる感覚があったので、ニアに打とうかなと思いました。あとはボールを見て、力を抜いてシュートを打った感じです」

 直近5試合は先発しながらも途中交代が続いたが、この試合はフル出場を果たした。「(体力を)出し切ることも大事ですが、今日は走りきることができました。そのなかでも相手が一人減って、自分たちでどう打開していくかというなかで、うまく工夫ができた試合になった」と胸を張る。そしてゴールで勝利をもたらせたことには「自分の点じゃなくても、勝てればそれでいいですし、勝ちに貢献できる点が、たまたまでも自分の点であれば、なお良い。チームのためにというのが、自分のなかにあるので、今日、勝ちにつながるゴールを挙げられたのはよかったです」と勝利を喜んだ。

 以前、ヒーローインタビューを丁寧に答えていた新井は、チームメイトたちから「長いよ」と言われていたが、短めに答えたこの日も「(長いとか)めちゃくちゃ言われました。みんな、味しめてます」と、勝利を呼び込んだ後にイジられることが慣例になりつつあると笑った。ミックスゾーンで記者に囲まれて取材に応じている最中も、DF谷口栄斗に「今日、なんかした?」と肩をたたかれて苦笑いした40番は、「昨日、グランパス戦(vs浦和レッズ)を見ていて、なんとなくアディショナルタイムでも、点が入るというのを感じていました。今日で言えば、相手にレッドカードが出て自分たちのチャンスも増えていたので。焦りもなく『何かが起こる』という感じでできていたので、それはよかったと思います」と、前日に見ていた試合がこの日の決勝ゴールの呼び水になったことを明かし、その右足で勝ち取った3ポイントを喜んだ。

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