「川崎は別格」「だいぶ丁寧になった」 古巣対戦のチョン・テセが痛感した“時代の変化”

「今の川崎に自分が入っても…」

「今の川崎のパスサッカーに、自分が入ったところでやれるかって言われると厳しい。昔はとにかくジュニーニョとかが強烈だったんで、そこに頼っていたサッカーではあった。サッカーの質として、今の方が圧倒的に上。時代に合ったサッカーをしていると思うし、クオリティーも安定していて誰が出てもブレない」

 古巣への賛辞が止まないチョン・テセは、川崎の公式戦4試合連続未勝利の停滞感について、「今はちょっとあれじゃない、風間さんが去って、まだ試行錯誤の段階だろうから、そこを根付かせる年なんだと思う。心配ないよ」と、政権交代による準備段階であると指摘し、長い目で見る必要性を訴えた。

 帰り際、かつての同僚であるMF中村憲剛に声をかけられ、「お前、俺の足踏んだからもう知らねーよ」とイジられると、チョン・テセは「えー、そんなガッツリいってないですって! あんなんでヒーヒー言わないでくださいよー」と慌てて返答し、当時の先輩・後輩の関係が垣間見えた。

 今では清水の主将としてチームの顔を担うチョン・テセだが、等々力陸上競技場という舞台で古巣の川崎と戦う時間は、いつも特別なものであるに違いない。

【了】

城福達也●文 text by Tatsuya Jofuku

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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