J1復帰で進化を実感「監督がいらないチーム」 3連勝で5位浮上…指揮官が絶賛した「3と4の使い分け」

秋葉忠宏監督が試合後に選手たちを大絶賛した【写真:徳原隆元】
秋葉忠宏監督が試合後に選手たちを大絶賛した【写真:徳原隆元】

清水が3連勝で5位に浮上、秋葉忠宏監督が選手を絶賛

 J1リーグは4月29日に第13節を各地で行い、清水エスパルスは味の素スタジアムでFC東京と対戦して2-0で勝利した。今シーズン、J1に復帰した清水だが、3連勝を飾って5位に浮上した。試合後、清水を率いる秋葉忠宏監督は会見で選手たちを大いに称賛した。

「選手たちがスタートからエネルギッシュにハードワークしてくれました。いつも言っていますが、技術、判断、アイディアがある選手たちが、どれだけサボらずにハードワークするか。チーム状況では、緊急事態もたくさんありましたが、誰が出てもハードワークして見せたことが勝利につながったと思います」

 ハードワークができた要因として、アウェーゴール裏をオレンジに染めた4,500人の清水サポーターの存在を挙げた秋葉監督は、本来MFの宇野禅斗が「中学生の時以来」となるセンターバックでプレーしながらも、完封勝利に貢献したことも喜びつつ、「嬉しかったことはたくさんありますけど、最も嬉しかったのは…」と、自身の思いを切り出した。

「ゲームが進んでいくなかで、ピッチの中で判断して3(バック)と4(バック)を使い分けたところ。途中、我々の指示では3にして少し落ち着かせようかという時間もありましたが、(ピッチの)中で『やっぱり4のほうがより攻守において良い』という判断を選手たちがして。自分たちで、(ピッチの)なかでしっかりと勝ち筋を見つけながら、どういう状況になっても、自分たちでゴールを奪いに行く、ボールを奪いに行く。勝利するためにどうすれば最も効果的かという中の肌感覚を大事にしているチームですから、それをしっかり実行して、クリーンシートで終えてしっかり2点取るという、非常に良い、大人のフットボーラー、大人のチームになってきたと思います。(ピッチの)中での柔軟性だとか、中での対応力、肌感覚を大事に戦えたことが一番うれしかったことです」

 熱く言葉を発する指揮官は「本当に監督がいらないチームになってきています」と、勝利を手にするために、選手たちがベンチからの指示と異なる選択をしたことを喜んだ。

 近年、J2から昇格してきたばかりのクラブが、J1でも上位争いをすることは珍しくない。秋葉監督の下、昨シーズンJ2を戦い、しっかりと熟成した清水は、この先どのような戦いぶりを見せるだろうか。

(河合 拓 / Taku Kawai)

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