世代交代の波に必死に抗う本田 UAE戦でFK失敗と不発も“クローザー役”を果たす

本田からポジションを奪った久保が1得点1アシストと大活躍

 ACミランの日本代表FW本田圭佑は、現地時間23日のロシア・ワールドカップアジア最終予選の敵地UAE戦で最終予選2試合連続スタメン落ち。2-0とリードした後半33分から途中出場し、“クローザー”としての役割で起用された。

 本田は今季のミランでパンキナーロ(ベンチ要員)と呼ばれる苦境に直面している。昨季からリーグ戦通算1得点3アシストで、今季先発出場は1試合。合計96分のプレータイムしか与えられておらず、2017年に入ってからリーグ戦出場はゼロ。試合勘が無きに等しい状況だが、バヒド・ハリルホジッチ監督は「この代表は彼の存在を必要としている。彼が試合に出るのか、何分出るのかは別問題だ。彼の存在が重要だ」と強引に招集へと踏み切った。

 本田は昨年11月の同予選サウジアラビア戦に続くベンチスタートとなったなか、このゲームでは前半13分に久保裕也(ヘント)が先制点を決めるなど、1得点1アシストと大活躍した。

 久保が前半からの懸命なプレーで足をつった後半33分、本田がピッチに送り込まれた。カウンターの局面での長いドリブルやミドルシュートを放つシーンを作ったが、ゴールには至らず。後半アディショナルタイムには直接FKのチャンスで目の前の数少ない壁に思い切りシュートをぶつけてしまう精度の低さを露呈したが、右サイドの守備は破綻をきたさず、クローザーとしての役割を全うした。

 この3月シリーズで本田の代表招集は物議を呼んだが、UAE現地紙では「日本はもはや皇帝ケイスケのチームではない」と戦前に酷評されていた。世代交代の波に必死に抗う男は、日本代表でもミラン同様に控えの立場に陥っている。現時点では、豊富な経験を持つ精神的支柱としてだけでなく、フィジカルの強さを生かしたクローザー役として、本田はチームへの貢献が求められている。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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