鈴木彩艶は「日本人史上最高GKになる」 W杯予選3戦連続0封…OBが感じた“レジェンド超え”の可能性【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】サウジ戦前半42分のファインセーブで「自分の中で乗った」
森保一監督率いる日本代表は、現地時間10月10日に行われた北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第3節でサウジアラビアと対戦し、敵地で2-0と勝利した。最終予選3連勝を飾ったなか、完封勝利に貢献したGK鈴木彩艶を日本代表OB栗原勇蔵氏も称えている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
【PR】ABEMA de DAZN、明治安田J1リーグの試合を毎節2試合無料生中継!
◇ ◇ ◇
9月シリーズで2連勝を飾った日本は、直近のW杯アジア最終予選で2試合連続で0-1と敗れているサウジアラビアと対戦。前半14分、MF堂安律のパスを左サイドからMF三笘薫が中央に折り返し、MF守田英正が頭でつないだボールにMF鎌田大地が走り込んで先制点を奪った。日本代表の歴史上、敵地でのサウジアラビア戦4試合目にしてこれが初ゴールになった。
試合は後半36分にコーナーキックから途中出場のFW小川航基がヘディングでゴールを決めて追加点。守備陣もサウジアラビアの攻撃を封じ込め、2-0で快勝した。
中国戦(7-0)、バーレーン戦(5-0)でもゴールマウスを守った鈴木は、前半42分にサウジアラビアDFサウード・アブドゥルハミドの右足シュートが守田の股下を抜けて飛んできたところを、鋭い反応を見せて右手一本でセーブ。ピンチ自体は決して多くはなかったが、安定したプレーで無失点に抑えた。
日本代表OB栗原氏は、「鈴木は良かった。ナイスセーブで自分の中で乗ってきたはず。ビルドアップのつなぎの部分も落ち着いていた」と、今季移籍したセリエAのパルマでリーグ戦6試合に出場していることからの成長を評価した。
「サウジアラビアの雰囲気は、アジアカップが開催されたカタールほどではなかったのはありますけど、鈴木は敵地で動揺する様子もなく、いいパフォーマンスだった。試合に出続けているなかで成長しているし、谷(晃生/FC町田ゼルビア)や大迫(敬介/サンフレッチェ広島)と比べて潜在能力は計り知れない。ここから成長して行ったら凄い選手になる」
栗原氏はレジェンドである川口能活氏、楢﨑正剛氏、川島永嗣(ジュビロ磐田)を日本人GKの歴代最高峰としたうえで、鈴木にそれを超える可能性を感じているという。
「サイズが偉大な3人とはまず違う。身長190センチ以上あって、機動力もある。それだけでもGKとして価値があってトップクラス。日本人史上最高GKになる可能性は十分あると思います」
アジアカップでは厳しい声にもさらされた鈴木だが、セリエAでの結果を追い風に、代表シーンでも勢いに乗りつつある。
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。