海外監督が絶賛…日本女子リーグレベル「素晴らしい」 主力タレント流出には悲観「残念に思う」
WEリーグのINAC神戸フェロン監督がWEリーグの現状へ見解
INAC神戸レオネッサは、9月22日のWEリーグ第2節で三菱重工浦和レッズレディースに1-0で勝利した。INACのジョルディ・フェロン監督は試合後、WEリーグについて「少し残念に思うのは、非常にいいリーグなのに日本の選手が海外に流出していること」と話した。
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INACはWEリーグ初年度に優勝を果たしたものの、その後は浦和に2連覇を許して反撃を期すシーズンになった。昨季からINACを率いるフェロン監督は「去年を振り返ると浦和に90分では勝てなかった。分析する中で足りていなかったのはフィジカル面だったと思う。同じ過ちを犯さないということで今シーズンに臨んだ」と話した。
そして、前半39分にDF守屋都弥のクロスをMF水野蕗奈が合わせると、ゴールポストに当たったボールを水野が再び押し込んでゴール。これが決勝点になった。指揮官は「ゲーム展開としては浦和が中をしっかり閉じて守るとリサーチしていたので、外から攻めていくという話をしていた」と、事前の分析が生きる試合展開になった。
昨季からINACを率いているスペイン人監督は、改めて1シーズンを経験してのWEリーグについて「サッカーのレベルが非常に素晴らしいものを見せているリーグだと思う。これまでの女子ワールドカップ(W杯)、五輪、今回のU-20女子W杯で決勝に進んでいることからも日本の強さが見られると思う」と話す。そして、日本人選手たちの姿勢について「まずは取り組む姿勢が素晴らしい。我々は指導者だけど、『こうすべきだよ』と教えたことをピッチで実践してくれる。選手の向上心も合致して、育成で良いところが見えていると思う」と話した。
一方で、INACからはパリ五輪で日本のゴールを守ったGK山下杏也加や、左サイドで存在感を出したDF北川ひかるが海外移籍してチームを離れた。浦和からは昨季の得点王とMVPをダブル受賞したFW清家貴子がイングランドへ移籍し、日テレ・東京ヴェルディベレーザからはMF藤野あおばが海外移籍。リーグの3強と呼ばれるクラブからも選手がキャリアを海外に求めている現実がある。
フェロン監督は「少し残念に思うのは、非常にいいリーグなのに日本の選手が海外に流出していること。プレーの強度や速さは素晴らしいと思う」と話す。そして、日本時間23日早朝に決勝戦が行われるU-20女子W杯の決勝に残っている日本チームにも触れ、「海外でプレーしている選手が3人いるけど、彼女たちもつい最近、海外に行ったばかり。その点でいくと、ほとんどの選手が国内でプレーしていると言っていいと思う。日本の、プレーで見せているWEリーグのレベルは素晴らしいものだと思う」と話していた。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)