遠藤航は「来季も重要な存在」 地元紙予想、“4-2-3-1”システムなら遠藤航の重要度アップ?
これまでの4-3-3継承なら「さらなる補強が必要」
日本代表MF遠藤航は、2023-24シーズンよりイングランド1部リバプールに加入した。地元紙「リバプール・エコー」は1年を通し「予想外のキーマン」と日本人を評価したうえで、新体制を迎える来季チームにおける立ち位置を予想した。
リバプールは昨夏にイングランド代表MFジョーダン・ヘンダーソンやブラジル代表MFファビーニョら中盤のベテラン選手が一斉に退団。中盤の顔ぶれは一新したが、最後まで獲得に苦戦したのがアンカーのポジションだった。
エクアドル代表MFモイセス・カイセド(ブライトン→チェルシー)、ベルギー代表MFロメオ・ラビア(サウサンプトン→チェルシー)を逃し、白羽の矢が立ったのがドイツで“デュエル王の称号を持っていた”遠藤の名前だったという。
当初、ユルゲン・クロップ監督(23-24シーズン限りで退団)はアルゼンチン代表MFアレクシス・マック・アリスターを中盤の底に置く策を取る。遠藤の出場機会は限られていたが、徐々にプレミアリーグのスピード感に慣れると出番を勝ち取った。
マック・アリスターを1つ前のポジションに置き、遠藤がアンカーの位置に立つようになるとリバプールの守備はより安定。攻撃面でもマック・アリスターの才能が遺憾なく発揮されるようになった。遠藤は過密日程の疲労もあり終盤はパフォーマンスを落とした面もあったが、「リバプール・エコー」紙は「予想外のキーマン」として評価を与えている。
同紙は遠藤がスタメンに定着するきっかけとなったのは、昨年12月のフルハム戦(第14節/4-3)だと指摘。途中出場からゴールを決め、逆転劇の役者の1人となった。同時に現地ファンの心を掴んだシーンでもある。
「遠藤は経験とポジションセンスの価値を証明した。空中戦に強く、ポゼッションにおけるテクニックは、マンチェスター・シティのボス、ペップ・グアルディオラが、この日本人とアレクシス・マック・アリスターがいかにリバプールの中盤のアプローチを変えたかを指摘するのに十分だった」
一方で「遠藤は調子が不安定になることもあった」一面も挙げつつ、「遠藤の重要性を強調するものだった」試合を2試合ピックアップ。第36節トッテナム戦(4-2)、第37節アストン・ビラ戦(3-3)は、いずれも遠藤が交代で退いたのちに2失点を喫している事実を伝えている。
来季スロット新監督で始動…遠藤は「重要な存在となることはほぼ間違いない」
では、「リバプール・エコー」紙が予想する遠藤の立ち位置はどうなのか。クロップ監督が退任し、新指揮官にアルネ・スロット氏が就く。同紙は「彼が守備的MFの長期的な解決策になることはなかった」と、23-24シーズンの不動の選手だった遠藤について分析した。
「スロットがクロップの4-3-3アプローチを再現するのであれば、さらなる補強が必要だ。しかし、スロットが4-2-3-1に大きく依存するなら、それは遠藤にも適しており、すでにチームに所属する多くの選手の多才さを考えると、新たな中盤選手の獲得の必要性は減るかもしれない」
システム次第で立ち位置に変化があると予想するなか、「いずれにせよ、遠藤は来シーズンもリバプールにとって重要な存在となることはほぼ間違いないだろう。しかし、今シーズンのリバプールにとって予想外のキーマンとして浮上したほどではないかもしれない」とも報じていた。
(FOOTBALL ZONE編集部)