鎌田大地のラツィオ残留に障害!? 優遇措置の廃止で費用は約26億円に上昇と伊メディア報道
鎌田サイドはオプションの「3年」に難色
イタリア1部ラツィオに所属するMF鎌田大地は今季終了時に契約満了を迎え、延長オプションの行使を含めた去就が注目されている。イタリアのサッカー専門メディア「カルチョメルカート・コム」では、イタリアの成長令(Decreto Crescita)と呼ばれる制度が廃止されたことの影響を指摘している。
鎌田は昨季限りでドイツ1部フランクフルトを退団し、夏の移籍市場の最終盤でラツィオに加入。シーズン入り当初はスタメン起用もあったが、徐々に出場機会から遠ざかった。ラツィオは2021-22シーズンからマウリツィオ・サッリ氏が率いていたが、3月中旬に電撃辞任。その後にイゴール・トゥドール監督が就任すると鎌田を中心的な存在に据えた。鎌田もパフォーマンスを高め、首位インテルとのゲームでは鮮やかな左足ミドルも決めた。
一方で注目されているのが去就についてだ。イタリアメディアでは盛んに鎌田の契約は単年プラス3年の延長オプションが付帯したものだと報じられてきた。レポートでは「トゥドールもクラブも、鎌田を来季の主軸の1人として再出発させるつもりでいる。しかし、契約条件は見直さなければならないだろう」として、その問題を報じている。
当初定められたのは3年の延長オプションであり、鎌田サイドはその期間に難色を示しているという。そのため、5月31日でオプション行使の期限が切れることからも新たな交渉が必要になるという。レポートでは「ヨーロッパ各地に複数の移籍先があるが、鎌田はラツィオとの交渉を優先している。年俸350万ユーロ(約6億円)プラスボーナスの総額400万ユーロ(約6億8000万円)前後で合意する可能性もある」としている。
しかし、ここで問題になるのはイタリアの制度が廃止されたこと。この成長令では「直近の2年以上をイタリア国外で生活していた者を新たに雇用する場合は所得税率を最大50%免除する」という項目があったが、昨夏の時点で鎌田は対象選手だった。しかし、新たな契約が必要なだけに、記事でも「税制上の優遇措置がなくなったため、海外からの選手給与にかかる総費用は実際にはほぼ倍増している」とされ、鎌田との契約は来季の補強戦略にも影響するとした。
果たして鎌田は自身を重用するトゥドール監督が率いるラツィオに残留するのか。その交渉の行方と契約期間はイタリアでも注目を集めている。
(FOOTBALL ZONE編集部)