「冨安のゴールが証明」したものとは? アーセナルの「本質を明らかにする瞬間」に英注目
冨安が同点ゴールをマーク
イングランド1部アーセナルは現地時間5月19日、プレミアリーグ最終節でエバートンと対戦し2-1で勝利。日本代表DF冨安健洋は逆転優勝に望みをつなぐ同点弾を決めたが、20年ぶりのプレミア制覇は叶わなかった。それでも冨安のゴールで示されたクラブの“価値”を、英メディアは評価しているようだ。
首位マンチェスター・シティを勝ち点2差で追い、逆転優勝を狙っていた2位アーセナル。エバートンに先制される苦しい展開だったが、前半43分に冨安が見事な同点弾を決めて追い付いた。
試合はその後アーセナルが2-1の逆転勝利を収めたものの、シティがウェストハムに3-1で勝利したためタイトルを手にすることは叶わなかった。そんななか英メディア「フットボール・ロンドン」は、冨安のゴールについて言及。「冨安のゴールがアルテタの発言が正しかったことを証明した」と得点後の様子を伝えている。
記事では「アルテタが熱心に育成してきたメンタリティーの怪物たちは、真のクオリティーを見せつけた。冨安健洋がエミレーツ・スタジアムで試合を振り出しに戻した時、アルテタのメッセージは見事に現実のものとなった」と綴られ、ミケル・アルテタ監督が発した言葉が紹介された。
「選手たちが毎日どのように働き、どれだけそれを望んでいるかを見る。そうすれば、ここで何か特別なことが起きていると信じるようになる。そしてチームを進化させ、何人もの選手とつながり、それが伝染していく。勝ち始めると、その差はそれほど大きくないことに気づく。それに加えて、サポーターが毎日応援してくれる」
同メディアは「アルテタの下での過去2年間のアーセナルの本質を明らかにする瞬間があるとすれば、それはこの(冨安ゴール後の)リアクションだった」と指摘。すぐさま自陣に戻り、“逆転”を狙う選手たちの姿勢を取り上げている。
「ピッチの歓声レベルが下がる前にボールはネットから外され、ハーフウェーラインに戻っていた。誰もがもっとゴールを欲しがっていたのだ」
2年連続の2位フィニッシュ。選手含め悔しい気持ちは大きいはずだが、確実に成長するチームの姿の一面が冨安のゴール後に現れていたようだ。