横浜FM監督が感銘を受けた“日本の国民性” 外国人指導者の視点「日本に来て特に思う」

横浜FMのハリー・キューウェル監督【写真:Getty Images】
横浜FMのハリー・キューウェル監督【写真:Getty Images】

キューウェル監督、横浜FMをクラブ史上初のACL決勝に導く

 横浜F・マリノスは4月24日、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第2戦で韓国1部蔚山現代と対戦し、3-2の合計スコア3-3で迎えたPK戦の末、5-3で競り勝ち、クラブ史上初となる決勝進出を果たした。ハリー・キューウェル監督は試合後、「1人ひとりがこの試合に懸ける思いがあり、全員に対して感謝の気持ちでいっぱいだ」と思いの丈を語り、「日本に来て特に思うのは、1人ひとりの学ぼうとする姿勢、サッカーに取り組む姿勢が素晴らしいということだ」と、勤勉な日本人の国民性に感銘の言葉を残している。

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 敵地で行われた第1戦を0-1で落としていたなかで、勝利が絶対条件となったホームでの第2戦。試合開始から30分間で3ゴールを決める最高のスタートを切ったものの、その後は連続失点、一発退場で数的不利な状況に陥るなど、一転して苦しい展開を迎えることに。それでも相手の猛攻を耐え凌ぎ臨んだPK戦を全員成功で競り勝ち、クラブ史上初となる決勝戦へと駒を進めている。

 試合後、激闘を戦い抜いたキューウェル監督は「なにから話せばいいのか……」と開口一番に苦笑いを浮かべつつ、「少しカオスな状況になってしまったが、1人少ない状況を90分間以上戦って、素晴らしい結果を残してくれた。1人ひとりがこの試合に懸ける思いがあり、全員に対して感謝の気持ちでいっぱいだ」と、苦しい戦いのなかで勝利を掴み取ったチームを労った。

 記者会見では、外国人記者から「日本に来て4か月となるが、これまで監督キャリアでなかなか結果が出せていなかったなかで、日本ではどのようにして結果を出せるようになったのか?」と踏み込んだ質問を受けると、キーウェル監督は「日本に来て特に思うのは、選手たちを含め、1人ひとりの学ぼうとする姿勢、サッカーに取り組む姿勢が素晴らしいということだ」と回答した。

横浜FMの快挙の背景に「2人の素晴らしい監督」

 これまで複数のイングランドクラブで指揮し、スコットランド1部セルティックでコーチも務めたキューウェル監督だが、横浜FMに就任して以降は、とりわけ勤勉な日本人の国民性に感銘を受けた様子で、外国人指導者の立場としても大きな助けとなっているようだ。

 横浜FMを史上初のACL決勝まで導いたなかで「皆さんがご存知のように、自分がこのクラブに就任する前に、2人の素晴らしい監督が指導していた。来日した初日から、全てにおいて素晴らしいベースが整っていて、そこにほんの少しの自分なりの要素を加えて、ここまでやってきた」と、前任のアンジェ・ポステコグルー監督、ケビン・マスカット監督の功績を称えることも忘れなかった。

 ACL決勝、J1リーグ、国内カップ戦と過密日程を強いられる立場にあるが、「エンターテインメント性のあるサッカーを続ける。選手たちがそれを日々学び、ピッチで表現する。それこそ自分が求めているし、まだまだこれからもその道は続いていく」と、今後もサポーターを楽しませるスタイルで戦うと熱意を込めて誓っていた。

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