本田圭佑、選手の悔しさは「勝利至上主義とは違う」 “機会格差”を問題視…「4v4」の意義
「4v4」2024年シーズン記者会見を実施
ワールドカップ(W杯)出場3回を誇るMF本田圭佑氏は、自身が代表取締役を務めるNowDo株式会社による小学生年代の4対4サッカー「4v4」の新シーズン開催に関する記者会見を埼玉スタジアムで行った。地方と首都圏などの間にある機会格差などにも触れつつ、「子供たちが一番を目指す姿は健全だし必要だと思う」と大会の意義について語った。
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本田氏が考案したこの競技は昨年にU-10(10歳以下)で開催されたが、今シーズンはU-12とU-10の2カテゴリーで実施される。それについて本田氏は「全国大会のないU-10でやることに意義を見出していたが、U-12には僕の子供の頃から全国大会があった。ただ、指導者不在でやることも評価してもらえ、小学6年生でも自分たちで考えてプレーすることは良いと思う。6年生でも、4v4ならではのプレーを取得することでサッカーにも生かせる」と話した。
そのうえで、前年度の開催を踏まえ、特にベンチに指導者など大人が入ることができず、ベンチメンバーの2名を加えた選手たちで交代やタイムアウトも判断するという部分が好評だったとして、「考えてプレーすることの価値、色々な親御さんから子供がこんなに試合で話すと思わなかったというフィードバックも受けた。サッカーで成功できなくても社会に出てから生きる要素だと思う。教育的な要素も含む競技なので、多くの人に体験してほしい」と話した。
今シーズンの大会は4月2日にスタートして11月30日まで行われる。複数回の参加が可能であり、最終的な獲得ポイントによって12月末の「JAPAN CUP(全国大会)」への出場権が決まる。本田氏は「アジア展開もしたい。2025年にアジアカップ、今年に参加してくれて代表チームを決めてくれた国で小規模なものでもやりたい。不確定なものも多いが、話を進めている。全ての子供に世界大会、将来的にはワールドカップのような感じにしたい。均等にチャンスを与えるべきと思ったところから生まれた。日本でも47都道府県でやることにこだわった」と話す。
その理由にもなるのが、地域間格差とも表現されるもの。本田氏は「機会格差は国全体のことでありスポーツに限らないこと」として、「地域によってレベルが偏っている第一印象があった。4v4だけでなくスポーツ全体に言える今の時代ならではの問題だと思う。機会格差が幼少期でも実力格差につながっている。去年は東京のチームが優勝したが、ベスト16かベスト8で半分以上が東京のチームだった」と、昨年度の状況を話した。
また、選手たち自身が勝利を目指す姿勢について「自分たちで悔しがって、自分たちで改善してトライするのは、よく言われる勝利至上主義とは違うと思う。子供たちが一番を目指す姿は健全だし必要だと思う。そこに大人が介入し過ぎるのが勝利至上主義だと思うので、4v4ではいい形で活動できていると思う」と、若年層で全国大会が廃止される競技もある中で、そのテーマについて話した。
日本サッカー協会(JFA)では小学生年代の大会を8人制で行うなど改革を進めてきているが、そこと連携していく可能性について本田氏は「可能性はある」としたものの、「そう認めてもらえるような大会にしていかないといけない」と話す。今後、この大会での経験をどのように生かす人材が輩出されていくのかも期待される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)