エイバル乾がバルサ戦で輝けなかった理由 0-4の大差を生んだ両サイドの攻防

左SBルナからのパスが遮断される

 そして、この役割の選手にとって重要なのは攻撃の終わらせ方だ。両者ともボールロストが増えやすいタイプになるが、この割合はネイマールが下回り、且つファウルや被ファウルもネイマールが良い数値を記録した。もちろん、ペドロ・レオンもチャンスを幾度も演出したが、エイバルが右サイド一辺倒で戦うのには限界があった。チームの予算規模から考えると難しい面もあるが、エイバルとしては長所を消された時の選択肢は増やしたいところだ。

 そしてもう一点、注目したいのはインターセプトのデータだ。守備のプレーデータは相手がプレーを行うことで発生するため、対峙する機会が多いほど守備プレーが発生する可能性は高くなる。

 エイバルは右サイドからの攻撃が多かったため、バルセロナのインターセプト数は左サイドバックのDFジョルディ・アルバが12回でトップとなり、その結果、彼から始まる左サイドでのパスルートが目立つ結果となった。一方のエイバルは、攻め込まれる機会の少なかった左サイドバックのDFアントニオ・ルナが12回を記録し、インターセプト数トップとなった。これはバルセロナとは逆の現象となっており、それだけ右サイド側のMFゴンサロ・エスカランテやDFアンデル・カパのところで、バルサの左サイド攻撃を止められなかったとも言える。

 さらにインターセプト数でチームトップだったにもかかわらず、左サイドバックのルナからパスのルートが描かれなかった点も、この試合のポイントの一つであり、左サイドハーフの乾が能力を十分に発揮できなかった理由の一つだろう。

 この試合、バルセロナは守備の際に4-4-2に近い形をとることがあり、右サイドのエリアをD・スアレスが守っていた。彼と右サイドバックのDFセルジ・ロベルトが、エイバルの左サイドのパスコースを上手く消したことで、ルナは出しどころに困り、結果ロングパスが増え4バックの選手のなかでも最も低いパス成功率となった。後半途中、セルジ・ロベルトに代わってビダルが入ったが、彼も途中出場ながらインターセプト数でチーム3位タイを記録したように、守備面で問題なく仕事を果たしている。

 

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