“感情的”相手を翻弄、蘇る南野“不屈プレー”…海外称賛「ピッチには1チームしかいなくなった」

前回大会では3-0で完封勝利【写真:Getty Images】
前回大会では3-0で完封勝利【写真:Getty Images】

前回大会では3-0で完封勝利

 森保一監督率いる日本代表は、2月3日にアジアカップ準々決勝でイラン代表と対戦する。前回大会(2019年)にも準決勝で激突した両チームだが、MF南野拓実は当時の試合で先制点をもたらしたヒーローだった。

 2019年のアジアカップ準決勝、得点者に名を刻んだのはFW大迫勇也(現・ヴィッセル神戸)とMF原口元気(現・シュツットガルト)だった。しかし忘れてはならないのが、大迫の先制弾をアシストした南野の“あきらめない”ワンプレーだろう。

 0-0で迎えた後半11分、スルーパスに抜け出した南野がボールを巡ってイランDFホセイン・カナーニと競り合った際に転倒。イランの選手たちがファウルはなかったと主審に抗議し近寄った時には、南野は起き上がりすでにボールを追いかけていた。

 エンドライン付近でボールを回収した南野が中央へクロスを送ると、手薄になったペナルティーエリア内で大迫がヘディング弾でネットを揺らし日本が先制点をゲットしている。

 当時、米スポーツ専門局「ESPN」は「主審にストライカーの飛び込みに対する警告を求めている間に、南野は立ち上がってボールを奪い返し、コーナーキックからクロスを上げ、大迫がゴールに押し込んだ」と報道。当時イランを率いていたカルロス・ケイロス監督は「私たちは皆、シミュレーションをめぐってレフェリーからアクションがあることを期待していた」と状況を回顧した。

 この先制をもたらしたプレーで勢いに乗った日本は、その後2点を追加し完封勝利。ただ、後半アディショナルタイムにはフラストレーションを溜めた相手のエースFWサルダル・アズムンがMF柴崎岳(現・鹿島アントラーズ)を小突いたのをきっかけに乱闘騒動へと発展。間に割って入った長友佑都(現・FC東京)は相手DFエフサン・ハジサフィに羽交い絞めにされるなど、現場は一時騒然となった。

 試合を通し「選手たちは感情的になってしまい、その後ピッチには1チームしかいなくなった」といった表現で当時のケイロス監督は反省を述べている。前回対戦で荒れた試合模様でも話題を呼んだが、日本に勢いを与えた南野の好プレーもあった。今大会でも、そんな南野の“不屈の精神”に期待したい。

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