上田綺世が明かす独自の“FW論”「感覚が好きなんですよね」 後輩・細谷と高める関係【現地発】

日本代表の上田綺世【写真:Getty Images】
日本代表の上田綺世【写真:Getty Images】

イラク戦から一夜明けて取材に対等

 日本代表はアジアカップ・グループリーグ第2戦イラク戦(1-2)から一夜明けた1月20日、ドーハ市内で練習を行った。前日イラク戦で先発した11人プラスDF冨安健洋が宿舎で調整。MF三笘薫含む残り14人とトレーニングパートナー5人がピッチで練習した。FW上田綺世は自身の“ストライカー論”を独特な視点で語った。

 第1戦のベトナム戦(4-2)、先発したのはパリ五輪世代のFW細谷真大だった。だが、前半45分で交代。その翌日の練習、細谷とともにピッチへ出てきたのは上田だった。2人で話しながら、時折笑顔を見せて盛り上がる。ランニングも横で並び、練習後のシュート練習も一緒にする。このような光景が数日続いている。上田に細谷への声掛けについて問うと、その思いが返ってきた。

「別にポジション間でのバチバチみたいなのは僕はない。そんなつもりもないし、励ますつもりで喋っているわけでもない。ただ同じポジションでしか共有できない部分、意見はあると思っている。僕もああいう形でワールドカップで交代したし、代表では45分で交代することもある。個人的にプレーが悪くなくてもそう見える。FWって活かされるポジションなので、不可抗力ということも気持ち的にはある。実際はないんですけど。そういうところを共感できるのはFW同士だと思う。真大の感覚も僕の刺激になる部分が多くあると思っている。真大が試合中にどういうことを感じていたかとか、練習もそうだし、普段どういうふうにゴールとか動き、FWとしての向き合い方を話していければと思っている」

 FW、ストライカーというポジション。ただただ得点にこだわり続け、工夫を凝らし、ここまで上り詰めてきた。そのトップFWの“感覚”を吸収することは上田にとって財産になるのだという。

「FWってみんな同じ目的を持ってプレーしているわけじゃないですか。それがポジションの特徴だと思う。GKもそうかもしれないけど。点を取るためにずっとこの立場まで来たと思うので、どういう感覚でプレーしているのかとか、パス1本に対してどうボールに接するのかもFW1人1人によって違うし、その得点観も違う。そういうのが面白いし、僕は勉強になる部分だと思っている。いろんなFWの選手の感覚が好きなんですよね。(古橋)亨梧くんと動き出しのことを話したりするし、真大もそう。いろんな話をするのが好きですね」

 苦しい時もともに乗り越え、結果で見返す。森保ジャパンのFW陣は決してなれ合いではなく、互いに刺激し合って存在価値を高めていく。

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