川崎が3大会ぶり2度目の天皇杯V 柏と延長120分死闘、異例10人目突入のPK戦を制す

国立競技場で川崎と柏が激突【写真:徳原隆元】
国立競技場で川崎と柏が激突【写真:徳原隆元】

国立競技場で川崎と柏が激突、延長PK戦を8-7で制す

 第103回天皇杯全日本サッカー選手権大会は12月9日に国立競技場で決勝戦を行い、川崎フロンターレと柏レイソルによる一戦は両者無得点によるPK戦で異例の10人目までもつれ込んだ末、川崎が3大会ぶり2回目の優勝を果たした。

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 今季のJ1で川崎は8位、柏は残留争いの渦中から17位で終えたがこの天皇杯では力強い戦いを見せてきた。川崎は3大会ぶり2回目、11大会ぶり2回目の優勝を目指した。川崎はFWマルシーニョが試合の登録メンバーから外れ、前線はFW家長昭博、FW宮代大聖、FWレアンドロ・ダミアンの構成でベンチにはFWバフェティンビ・ゴミスやFW小林悠が控えた。柏はJ1最終節の退場処分によりDFジエゴが出場停止となり、DF立田悠悟とDF古賀太陽がセンターバックのコンビ。前線には日本代表FW細谷真大が入った。

 序盤から柏がハイプレスをベースに川崎陣内で試合を進め、攻撃回数を増やした。左からFWマテウス・サヴィオが関わりながら崩しにかかる場面を増やし、コーナーキックも多く獲得して攻めたもののゴール前の攻略には至らなかった。川崎は耐える時間が長くなったが、決定機を作られる場面は多くなかった。しかし、敵陣で仕掛けに入るような攻撃は数えるほどで、ペナルティーエリア内にパスが入ったのも数回。全体的には柏がペースを握る戦いで前半を0-0で終えた。

 後半に入って川崎がボールを持つ時間が生まれ始めたが、逆に柏は奪ってからの鋭いカウンターを見せる場面が増えた。後半24分には自陣からマテウスが長いスルーパスを細谷に通すと、ファウル覚悟で止めに行ったDF大南拓磨を突破した細谷が完全に抜け出したものの、ボールタッチが長くなってGKチョン・ソンリョンにキャッチされ大きなチャンスを逸してしまった。

 スタジアムを埋めた6万2837人の歓声の中で両チームはタイトルを争い戦ったものの、90分を0-0で終えたゲームは延長戦に突入した。そして延長前半9分、柏はペナルティーエリア内に入り込んだ細谷がGKと1対1のチャンスを得たがチョン・ソンリョンがファインセーブ。こぼれ球からの流れでFW山本桜大が狙ったシュートも枠を外れた。

 延長戦のハーフタイムに、川崎は後半途中から投入していたFW小林悠からFWバフェティンビ・ゴミスへの交代。当初は家長の番号が交代ボードに表示されていただけに、イレギュラーな交代とみられた。そして延長後半13分にはDF山根視来のクロスにマークが外れたゴミスがフリーでヘディング。しかし、柏GK松本健太のスーパーセーブでゴールとはならず、このまま0-0で120分を終了。前回大会決勝のヴァンフォーレ甲府対サンフレッチェ広島(1-1/PK5-4)に続き、PK戦突入となった。

 コイントスの結果、川崎のサポーターが陣取るサイドのゴールで行われたPK戦では、先攻の川崎2人目のMF瀬川祐輔のキックを松本が止めたかに思われたが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックによりキック前に松本がゴールラインより前に出たとして蹴りなおしになり、これを瀬川が決めた。後攻の柏は4人目のMF仙頭啓矢がゴールポストに当てて失敗。川崎は決めれば勝利の5人目でゴミスが登場したが、松本がコースを読んでセーブして絶体絶命のピンチを救った。そして柏5人目のFW武藤雄樹が決め、PK戦も6人目以降の決着にもつれ込んだ。

 すると川崎の6人目を蹴ったDF登里享平のキックを松本が2本連続のストップ。しかし柏はDF片山瑛一がクロスバーに当てて失敗した。決着がついたのは10人目のGK対決になり、先攻の川崎はチョン・ソンリョンが決めた一方で、後攻の柏は松本のキックがチョン・ソンリョンにセーブされた。この結果、PK戦のスコア8-7で川崎が優勝。来シーズンのAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)への出場権も獲得した。

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