冨安×ジンチェンコの左SB争い、“興味深い”新たなシナリオに英注目 「もしフィットすれば…」

アーセナル左SB争いに変化の可能性【写真:ロイター】
アーセナル左SB争いに変化の可能性【写真:ロイター】

「左SBはまさに“適材適所”のアプローチが取られている」

 イングランド1部アーセナルは左サイドバック(SB)でウクライナ代表MFオレクサンドル・ジンチェンコと日本代表DF冨安健洋がポジションを争っている。攻撃のジンチェンコ、守備の冨安と相手によって使い分けられている印象だが、今夏新加入のオランダ代表DFユリエン・ティンバーが復帰すれば、新たな展開に発展する可能性があると英紙「ロンドン・イブニング・スタンダード」が報じている。

 ミケル・アルテタ監督の下では基本的には昨季加入したジンチェンコが左SBのファーストチョイスだった。マンチェスター・シティ時代にジンチェンコを中盤からSBへコンバートするアイデアを発案したのがペップ・グアルディオラ監督のアシスタントを務めていたアルテタ監督だったこともあり、その流れは必然といえる。

 しかし、今季ジンチェンコはパフォーマンスに波がある。ここ最近は安定したパフォーマンスを見せる冨安が序列をひっくり返している感もあり、左SBのポジション争いは注目を集めている。

「ロンドン・イブニング・スタンダード」は2人の争いについて次のように伝えている。

「冨安健洋の優れた守備力はジンチェンコの有力な競争相手となっており、それがアーセナルの選手層の厚みを強調している。左SBはまさに“適材適所”のアプローチが取られている。アーセナルがボールを支配する相手ではジンチェンコが先発し、より攻撃の脅威が大きな相手では冨安が選ばれている」

 ジンチェンコは元々10番タイプの攻撃的MFであり、ウクライナ代表では今も中盤の一角でプレーしている。前節バーンリー戦では試合途中にDFヤクブ・キヴィオルを左SBに投入し、ジンチェンコを一列前に上げるプランをアルテタ監督が取った。しかし、これまで起用法を見る限り、この起用はあくまで状況次第の限定的なものであることは明らかだ。

 ジンチェンコの中盤起用はファンも熱望しているというが、これが実現するとすればある条件が満たされた場合のみだと記事では指摘されている。鍵を握るのは今季開幕戦で膝を負傷して長期離脱中のオランダ代表DFティンバーだ。

「ジンチェンコがアーセナルの“唯一無二”の武器であることに変わりはないが、彼が中盤に回る可能性があるのはユリエン・ティンバーが再びフィットした時のみだろう。このオランダ人は今夏に加入し、プレシーズンには左SBとして活躍したが、プレミアリーグの開幕戦で負傷し、まだあと数か月はプレーできないだろう。もしティンバーがフィットすれば、彼と冨安を左SBで起用し、ジンチェンコを中盤に上げる興味深いシナリオが実現する可能性があるだろう」

 実際にティンバーは負傷した開幕戦のノッティンガム・フォレスト戦で左SBとして先発に名を連ねていた。ここにきて冨安が評価を高めているだけに、ティンバー復帰後にSBのポジション争いがさらに過熱することは間違いなさそうだ。

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(FOOTBALL ZONE編集部)



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