中国女子サッカーは「進歩する必要がある」 他国との“コントラスト”を現地紙が指摘「注目度は冷たい」

中国女子代表の低迷続く状況に母国考察【写真:Getty Images】
中国女子代表の低迷続く状況に母国考察【写真:Getty Images】

アジア大会で日本に惜敗、パリ五輪アジア2次予選も敗退と苦しむ

 パリ五輪アジア2次予選は11月1日に全日程を終え、B組の中国女子代表は韓国とともに敗退が決定した。成績が低迷するなかで母国メディアは「中国女子サッカーチームが低迷から脱却するには、育成システムの改善とサッカー基盤の再構築が不可欠だ」と考察を展開している。

 10月に中国・杭州で行われたアジア競技大会でも準決勝で日本に3-4で敗れ決勝進出を逃すなど、厳しい時間を過ごす中国。かつてオリンピックや女子ワールドカップ(W杯)で準優勝(それぞれ1996年/1999年)、女子アジアカップでは1986年大会から7連覇を含む通算8度の優勝を誇るアジア屈指の強豪国も経験した母国に、中国紙「工人日報」が嘆きを伝えた。

「工人日報」では「五輪予選から見た中国女子サッカー」と題したコラムを展開。その第3回では、「中国女子サッカーチームがスランプを脱するには、トレーニングシステムを改善し、サッカーの基礎を再構築することが不可欠だ」と、母国の未来について解決策を模索している。

 そのなかで、2016年から21年まで日本の監督を務めた高倉麻子氏にも言及。現在は中国女子リーグの上海盛麗足球倶楽部を率いるなか、記事では「高倉監督は、良いサッカー環境の構築とリーグの継続的な発展が日本女子サッカーの台頭の主な理由であると認めている。だからこそ、中国女子サッカーの従事者たちが理解することは難しくない」といった意見を示した。

 そのためには、「問題点を重視し、基礎トレーニング、トレーニングの方向性、女子サッカー文化の建設などの面で、長期にわたって着実に進歩する必要がある」と指摘。ただ、現状中国の国内リーグについて「注目度は冷たいと言わざるを得ない」と警鐘を鳴らす。

 記事によると、今シーズンの国内女子サッカーリーグの平均観客動員数は1500人。現地クラブの関係者は「観客の半分は選手の家族や友人で、本当に試合を見に来るファンはほとんどいない」とも話しているという。

 また、「名前は伏せるが…」と前置きしつつ同メディアは元代表戦士の痛烈な一言も紹介。「中国女子サッカーチームが優勝した時だけ愛してはいけない。国内の女子サッカー発展にはもっと、継続的な関心と支援が必要だ」と記者団に述べたとされている。

「長年冷え込んでいた国内女子サッカーリーグの恥ずかしさに比べ、日本、欧州、米国、さらにはアジア諸国の女子サッカーリーグの注目度は高まり続けている」

 他国との“コントラスト”に厳しい目を向けたなか、今後の低迷脱却のために先人たちの言葉が参考になっていくのかもしれない。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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