10月シリーズで評価を「上げた選手」と「下げた選手」 注目の上昇5人、23人“当落線上”への危うくなった2人とは?【コラム】
10月シリーズも2連勝 全体的に高評価のシリーズになった
第2次森保ジャパンは、カナダ代表、チュニジア代表と対戦した10月シリーズで2連勝を飾った。これで6月から6連勝。6戦で24発5失点と数字としては実り多きものとなった。そのなかで、今シリーズで評価を上げた選手、下げた選手をそれぞれ見ていく。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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まずは評価を上げた選手に注目。今回は出場した選手、全体的に生き生きとしたプレーを見せて高評価が多かった。チュニジア戦で先発したセンターバック(CB)コンビのDF板倉滉(ボルシアMG)、DF冨安健洋(アーセナル)、右サイドバック(SB)のDF菅原由勢(AZアルクマール)、ボランチコンビMF遠藤航(リバプール)、MF守田英正(スポルティング)、右サイドのMF伊東純也の6人は絶対的な存在のため、評価から除外する。彼ら以外で目についた5人をピックアップする。
■古橋亨梧(セルティック)
ここまで1トップ争いで難しい立場だった。起用方法など本意ではなかったこともあると思うが、10月シリーズでは前線からのプレスやポジショニングで攻撃を活性化。守備でも貢献していた。9月シリーズでもあとはゴールだけ……というところだったなかで、最後に結果も残した。
■久保建英(レアル・ソシエダ)
チュニジア戦はトップ下で先発出場。伊東との連係で、どんな1トップでも生かせて上下左右縦横無尽にピッチを駆け回った。さまざまなポジションに顔を出して、2ゴールに絡む活躍。トップ下の“1番手”に考えて良いだろう。
■中山雄太(ハダースフィールド・タウン)
左SBは日本代表で懸念のポジションの1つ。伊藤洋輝も9月シリーズで評価を上げたが、中山も安定感を見せた。これから2人がさらにコンディションを上げて左SBのポジション争いを繰り広げてくれることだろう。
■中村敬斗(スタッド・ランス)
カナダ戦で左ウイングを務め、高い決定力を発揮。試合中に負傷してしまったことが、残念で仕方ない。だが、これで国際Aマッチ4戦4発。ゴール前で落ち着いて枠内にシュートを打てること、それを決め切ることは何よりも大切な能力だ。三笘薫が絶対的な左ウイングで、中村の存在感も見せられたことは大きい。
■南野拓実(ASモナコ)
インサイドハーフ、トップ下と中央でプレーすることで攻守において効いていた。チュニジア戦の最後には久保が右サイドに入って、気の利いたポジションを取っていた。久保も「南野選手ともう少しプレーしたかった」と話すほど。昨年は苦しんでいた南野は復活。中堅としてオフ・ザ・ピッチでも率先してチームを盛り上げていた。
相対的に評価を下げたのが…
一方の評価を下げた選手は、これから11月のワールドカップ・アジア予選、来年1月のアジアカップで登録人数が26人から23人になることを考えた際、“相対的”に評価が下がってしまった選外の2人。今シリーズには招集されなかったが、久保がトップ下争いで結果を残したことで23人の“当落線上”になってしまった。
■鎌田大地(ラツィオ)&堂安律(フライブルク)
トップ下で主力級の鎌田だが、久保がトップ下に君臨して伊東との好連係も見せた。遠藤と守田がボランチにいることでより久保が生き、トップ下で序列を上げたことで鎌田の立ち位置は危うくなった。背番号10の堂安についても右サイドの争いは熾烈のなか、インサイドハーフやトップ下で良さを出した南野の存在もあって23人に残る当落線上に。2人は所属クラブで圧倒的な活躍を見せて代表の舞台でまた競争を活性化させてほしい。