森保ジャパン、カナダ戦出場全17選手「パフォーマンス査定」 復帰組に高評価、陰の“MVP”に輝いたのは?
カナダ戦の出場メンバー17選手を5段階査定
森保一監督率いる日本代表は、10月13日にデンカビッグスワンスタジアム(新潟)でカナダ代表と対戦し、4-1で快勝した。
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日本は森保監督の宣言通り、4-1-4-1の布陣で試合をスタート。GKに9月のドイツ戦で好パフォーマンスだった大迫敬介を据え、左サイドバック(SB)には負傷で不参加となったカタール・ワールドカップ(W杯)以来の復帰を果たした中山雄太が戻ってきた。センターバック(CB)コンビは町田浩樹と冨安健洋が組み、右SBにはトルコ戦でデビューを果たした毎熊晟矢が入った。中盤は遠藤航が底に入り、南野拓実と田中碧がインサイドハーフに。両翼はスタッド・ランスコンビの中村敬斗と伊東純也が務めた。1トップには浅野拓磨が入り、守備時には4-2-3-1と可変させながら柔軟に戦った。
試合は田中が2ゴール、中村の1ゴールとオウンゴールで計4得点。6月のエルサルバドル戦は6ゴール、ペルー戦で4ゴール、9月のドイツ戦、トルコ戦もそれぞれ4得点しており、森保ジャパンが攻撃力の高さを再び発揮している。ここでは各選手たちのパフォーマンスを振り返るべく、出場17選手を5段階評価(最高が5つ星★★★★★)で査定する。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
◇ ◇ ◇
<GK>
■大迫敬介(サンフレッチェ広島)=★★★★☆
自らのミスを自ら挽回した。前半22分にプロで初めてのPKストップ。そこから波に乗ってきた感じがあったなかで、最後の失点シーンはもったいなかった。
<DF>
■中山雄太(ハダースフィールド・タウン)=★★★★☆
負傷による不参加となったカタールW杯の悔しさを払しょくするプレー。ビルドアップに参加して攻撃に展開したり、守備でもバランスを見ながら身体を張って守りきった。ゴールも演出し、左SBのポジション争いに名乗りを上げた。
■町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)=★★★★☆
A代表デビュー戦となったトルコ戦に続く先発起用に応えた。守備での落ち着きだけではなく、左足から繰り出すパスにもセンスを感じられた。
■冨安健洋(アーセナル)=★★★★☆(→ハーフタイムOUT)
ピンチらしいピンチはあまりなかったなかで、DFリーダーとして最終ラインを牽引。瞬時に状況を把握して、的確な指示も出す姿は頼もしかった。
■谷口彰悟(アル・ラーヤン)=★★★☆☆(←ハーフタイムIN)
後半開始から町田とのCBコンビを形成。経験が浅い町田の良さが出たのは谷口のカバーがあってこそ。後半9分にはゴール前に攻め込まれるピンチを迎えたが、最後まで冷静に対応していた。
■毎熊晟矢(セレッソ大阪)=★★★★☆
トルコ戦で上々のデビューを飾り、2試合連続で先発出場のチャンスを掴んだ。前半は相手のスピードスターDFアルフォンソ・デイビス(バイエルン・ミュンヘン)に食らいついていた。細かなミスも散見されたが、時間を重ねるにつれて徐々に適応。サイドハーフとしてもプレーし、ポリバレントさも発揮した。
■橋岡大樹=※出場時間短く採点なし(←後半38分IN)
最後の失点シーンで戻り切れなかったのは悔やまれる。右SBの毎熊がアルフォンソ・デイビスに対応していたため、しっかり試合を締めたかった。
ゴールした田中&中村は満点評価 1トップの浅野は前半で圧倒的なプレー
<MF/FW>
■遠藤 航(リバプール)=★★★★☆(→後半16分OUT)
やっぱり頼りになる主将。ドイツ時代の“デュエル王”の称号にふさわしい奪取力が光った。序列の変更を認めないアンカーからの展開力だった。
■伊藤敦樹(浦和レッズ)=★★★☆☆(←後半16分IN)
出場数を重ねるにつれて伸び伸びとしたプレーを見せている。遠藤と守田英正がボランチの一番手に君臨するなかで、2人に割って入る存在へとさらなる成長を期待したい。
■伊東純也(スタッド・ランス)=★★★★☆
スピードは言わずもがな、献身的な運動量もさすがの一言。先発の両翼を務めた“弟分”中村を生かすクロスは阿吽の呼吸だった。毎回の質の高いプレーを発揮。ゴールはなくても、その存在は間違いなく大きい。
■浅野拓磨(ボーフム)=★★★★☆(→後半27分OUT)
MVP級の活躍を見せた。前半の2ゴールを演出するだけでなく、スピードで相手DFをぶっちぎり、フィジカルでは当たり負けせず、何度もチャンスを生み出した。前半の出来は圧倒的だった。得点こそないが、ボールも収まり、森保監督の信頼が分かる高いパフォーマンスだった。後半は少し疲労が出たか。
■古橋亨梧(セルティック)=※出場時間短く採点なし(←後半27分IN)
川辺の決定機を演出。ゴールにはつながらなかったが、1本のパスで一気にチャンスへ展開した。この日は守備への意識が高く、賢いプレーを選択していた。
■南野拓実(ASモナコ)=★★★★☆(→後半38分OUT)
カタールW杯以来の代表復帰。クラブでの好調そのままにインサイドハーフとトップ下を攻守で切り替えながら柔軟な役割を務めた。運動量を生かしてさまざまなポジションに顔を出し、サポートしながら対応。2度の決定機を決めていれば文句なしだった。
■田中 碧(デュッセルドルフ)=★★★★★(→後半27分OUT)
トルコ戦では悔しさをにじませていたが、前後半の立ち上がり2ゴールは素晴らしい。インサイドハーフ起用で、攻撃に対する意識、ここぞという時のゴール前の嗅覚がさえわたっていた。マン・オブ・ザ・マッチ(MOM)にふさわしい出来だった。
■川辺 駿(スタンダール・リエージュ)=※出場時間短く採点なし(←後半27分IN)
ダブルボランチの一角を務め、バランスを見ながらポジションを取っていた。後半41分には果敢に前線へ攻め上がり、古橋からのパスをシュートしたが、惜しくもGKの正面だった。
■中村敬斗(スタッド・ランス)=★★★★★(→後半16分OUT)
国際Aマッチ4戦4発は見事。何よりも大事な「点を取る」という仕事をやってのけた。伊東からのクロスに飛び込むシーンは所属クラブのS・ランスでの関係性があってこそ。懸命なプレスバックも見られたなかで、負傷による途中交代が心配だ。
■旗手怜央(セルティック)=★★★★☆(←後半16分IN)
中村の負傷により、出場が早まったなかでパスセンスはピカイチ。いつもよりも攻撃的なポジションでサイドハーフやトップ下などマルチさを存分に見せつけた。11月から始まるアジア予選に向けて好アピールになった。