日本対ドイツが行われるヴォルフスブルクのリアルな現状 シャツ着用のファンおらず…町に見る“代表離れ”【現地発】

ヴォルフスブルクの町の様子 【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
ヴォルフスブルクの町の様子 【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

森保ジャパンは4日からヴォルフスブルクで合宿をスタート

 日本代表は9月9日(日本時間10日未明)、ドイツ・ヴォルフスブルクで国際親善試合ドイツ代表戦に臨む。4日に全26人が現地入りして合宿がスタート。初日から取材を続けるなかで見えてきたヴォルフスブルクの町の雰囲気を伝えていく。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

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「日本対ドイツの試合のためにここへ来たの?」

 筆者が宿舎にチェックインする際、従業員からそう問われた。これまで海外での試合を何度も取材してきたなかでその町の人から声を掛けられることはかなり多かった。タクシーに乗れば運転手が「日本人か!サッカーの試合だね」と話してきたり、「ホンダ!」「カガワ!」と言われることも多々あった。そのたびにサッカー熱を感じてきたが、ヴォルフスブルクでは宿舎の従業員に質問されて以降、同じような声を掛けられることもなく、街中をゲームシャツで歩く人も見当たらない。

 ヴォルフスブルクはフォルクスワーゲンとサッカーの町。車とサッカー、日本でいうと愛知県豊田市だろうか。芝生の広場で子供たちがサッカーをしていたり、駅前にはゴーカートもある。それでも、現在ドイツ代表が訪れているとはなかなか思えないほどだ。

 ヴォルフスブルクの地元紙「wolfsburger nachrichten」も7日付けの紙面で「ヴォルフスブルクの町にはドイツ国旗がはためいていない。ジャージを着たファンの姿も見えない。土曜がサッカードイツ代表チームにとって重要な試練であることを示すものは何もない」と、現地熱の低さを指摘している。

 その要因は今年に入ってからも1勝1分3敗と低迷する成績。同紙は「2度のワールドカップ(W杯)の失敗とそのほかの残念な試合の後、ヴォルフスブルクだけでなくドイツ全体で代表チームに対して一定の疲労が生じている」と、伝えた。

 ドイツ1部フライブルクでプレーするMF堂安律は「各チーム(のサポーター)が各チームだけを応援している感じ」と、リアルに感じ取るドイツのファンの心境を明かした。

 5日、6日と公開された練習でも多くの現地報道陣が日本を“偵察”に来てもいいところだが、実際は少なかった。現地サポーターたちの“ドイツ代表離れ”が進んでいるのだろう。森保ジャパンとの再戦は再び世界のファンが熱狂するような注目の一戦になってもらいたい。

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