浅野拓磨が募らせる危機感「安心している暇なんてない」 森保ジャパンの熾烈な“1トップ争い”に火「同じタイミングで結果」
日本代表はアウェーで行われるドイツ戦に向けてトレーニング
日本代表は9月4日、ドイツ・ヴォルフスブルクで9日(日本時間10日)の国際親善試合ドイツ代表戦に向けて合宿をスタートさせた。初日から26人全員が集まり、汗を流した。カタール・ワールドカップ(W杯)ではドイツ戦で貴重なゴールを挙げたFW浅野拓磨(ボーフム)は熾烈なポジション争いに危機感を募らせた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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浅野にとって待望の得点だった。ブンデスリーガ第3節アウクスブルク戦(2-2)で今季リーグ戦初ゴールを含む2得点をマークし、チームを救う活躍を見せた。1点ビハインドで迎えた前半アディショナルタイム3分、味方のシュートの跳ね返りがペナルティーエリア内の浅野にこぼれると、迷いなく右足を振り抜き今季初ゴールを決める。後半に再び勝ち越された1-2の場面では、浅野が絶妙な裏への抜け出しから右足のアウトで相手GKの意表を突くコースにゴールを決めた。
このゴールを決めて代表合宿に合流した浅野。だが、自身の気持ちはさらに掻き立てられたようだ。
「自分も代表合流前に結果を残して合流できるなと、ちょっと一安心というか、ホッとした気もありましたけど、携帯を開いてニュースを見ると同じタイミングにたくさんの代表選手が結果を残していて、安心している暇なんて一瞬もないなと。その時点で自分にとっては刺激になっていますし、まだまだやらないとな、と思えている。それも代表に合流できないと、その気持ちというのも味わえないことだと思うので、やっぱりいいところだなと改めて思いましたし、来るたびに、自分が成長するために何が必要なんだと考えさせられるので、来て1日目ですけど、それを考えながらやっている状況」
今夏から新天地に移った1トップ候補のFW上田綺世(フェイエノールト)も直前の試合でゴールを決め、FW古橋亨梧(セルティック)もダービー戦で勝利に導く一撃を決めた。それぞれ結果を残して切磋琢磨している良き関係性。浅野も今季はいいスタートを切っている。
「W杯であったり、自分がずっと目指してたものを経験した後の新しいシーズンということで、何かしら自分に変化はあるのかな、と。プレーしていても、気持ちの面であったり、コンディションの調整の仕方であったり、今まで経験してきたものがすべて、今に生きているかなというのは感じる」
なかでも日本代表の1トップ争いはし烈。ドイツ戦はW杯でゴールを決めた浅野だが、強敵相手に再び結果を残せるかで今後の立ち位置も変わってくるだろう。
「たくさんその話、その質問を聞かれますけど、僕としても全く前のドイツ戦は、もう忘れたって言ってもいいぐらい、あんまり考えていない。同じような戦いができるかどうかもわからないぐらい、全く違う試合になるんじゃないのかなと思う。ドイツのメディアにも『今回のドイツ戦はどうだ』というふうに聞かれますけど、僕らが勘違いしちゃいけないのは、試合には勝ちましたけど、間違いなくドイツは日本よりも個の部分でもチームとしてもレベルが高いチームだと思う。100%チャレンジャーで、臨まないと勝利することはできない。だからといって、恐れることは何もない。ピッチに立てば、もちろんゴールを目指してチームの勝利に貢献したい」
森保一監督はドイツ戦で誰を先発起用するのか。互いを高め合うFW陣の行方に注目だ。