各地で下部カテゴリーのチームがJ1勢を破るアップセット

　第102回天皇杯は7月12日に各地で3回戦が行われた。J2首位のFC町田ゼルビアがJ1首位の横浜F・マリノスを下したほか、5試合で下部カテゴリーのチームがJ1勢を破るアップセットが起こった。

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　注目カードの1つだった町田と横浜FMの対戦は、前半5分に町田がFWミッチェル・デュークのゴールで先制すると意外なワンサイドゲームに。前半のうちに1点を追加すると、後半にも2点を奪って4-0の大差をつけた。横浜FMは試合終盤に1点を返して意地を見せるも町田が4-1の快勝を収めた。

　また、前回大会でJ2所属クラブながら初優勝を果たしたヴァンフォーレ甲府は、1993年のJリーグ開幕以来では最多優勝を誇る鹿島アントラーズと激突。後半7分に甲府がDF野澤陸のゴールで先制するも、鹿島も後半17分にFW垣田裕暉のゴールで追い付いた。熱戦は延長戦でも決着が着かずにPK戦までもつれ込むと、ここでも互いに13人目まで回る大熱戦に。最後は甲府がPK戦11-10で競り勝ち、J1勢の撃破とともに連覇への道をつないだ。

　そして、12年ぶりの「東京ダービー」として話題を呼んだFC東京と東京ヴェルディの対戦は、前半にFC東京が先制するも後半にV東京が追い付いて1-1で延長戦へ。互いに決勝ゴールを奪えずに試合はPK戦の決着となり、8人目まで両チームが全員決める展開に。最後は東京Vの9人目でFC東京のGKヤクブ・スウォビィクがセーブし、FC東京がPK戦9-8で勝ち上がりを決めた。

　ほかでは前回準優勝のサンフレッチェ広島は栃木SCと対戦。栃木が後半9分にFW大島康樹のゴールで先制すると、試合終了間際にも追加点を奪って2-0の勝利。また、ロアッソ熊本はサガン鳥栖を相手に1点ビハインドの試合終盤にU-17日本代表FW道脇豊が同点ゴール。さらに延長戦で道脇が決勝ゴールを奪い、4-3で競り勝った。

　JFL所属で高知県代表として出場の高知ユナイテッドSCは横浜FCと対戦すると、後半11分にMF高野裕維が決勝ゴールを奪って1-0の勝利。J1クラブに対するアップセットがいくつも達成された。

　名古屋グランパスはベガルタ仙台に1-1の同点からPK戦、アビスパ福岡はFC岐阜を相手に延長戦で2-1と辛くも勝利してJ1勢の意地を見せた。アルビレックス新潟とカターレ富山の対戦は、雷雨により延長戦の最中を含めて複数回の中断が入る難しい環境でのゲームになったが、延長戦の前半を終えて新潟が3-2でリードしている時点で中止に。この試合の取り扱いは後日正式に発表される。

　残る1枠（新潟と富山の勝者）は未定ながら、15チームが出揃った天皇杯は8月2日に4回戦が予定されている。J1勢による対戦は8試合のうち3試合のみと下部カテゴリー勢の躍進が目立っている。優勝チームは来シーズンのAFCチャンピオンズリーグ（ACL）出場権を獲得する。

天皇杯3回戦の結果

横浜F・マリノス（J1）　●1-4○　FC町田ゼルビア（J2）
カターレ富山（J3／富山県代表）　試合中止　アルビレックス新潟（J1）
名古屋グランパス（J1）　○1-1（PK5-4）●　ベガルタ仙台（J2）
浦和レッズ（J1）　○1-0●　モンテディオ山形（J2）
鹿島アントラーズ（J1）　●1-1（PK10-11）○　ヴァンフォーレ甲府（J2）
ヴィッセル神戸（J1）　○5-2●　ジュビロ磐田（J2）
セレッソ大阪（J1）　○3-1●　大宮アルディージャ（J2）
湘南ベルマーレ（J1）　○2-0●　ファジアーノ岡山（J2）
川崎フロンターレ（J1）　○2-1●　水戸ホーリーホック（J2）
高知ユナイテッドSC（JFL／高知県代表）　○1-0●　横浜FC（J1）
柏レイソル（J1）　○2-0●　徳島ヴォルティス（J2）
北海道コンサドーレ札幌（J1）　○5-2●　ヴェルスパ大分（JFL／大分県代表）
サンフレッチェ広島（J1）　●0-2○　栃木SC（J2）
アビスパ福岡（J1）　○2-1●　FC岐阜（J3／岐阜県代表）
FC東京（J1）　○1-1（PK9-8）●　東京ヴェルディ（J2）
サガン鳥栖（J1）　●3-4○　ロアッソ熊本（J2）

天皇杯4回戦（8月2日）の対戦カード

FC町田ゼルビア（J2）×アルビレックス新潟（J1）とカターレ富山（J3／富山県代表）の勝者
名古屋グランパス（J1）×浦和レッズ（J1）
ヴァンフォーレ甲府（J2）×ヴィッセル神戸（J1）
セレッソ大阪（J1）×湘南ベルマーレ（J1）
川崎フロンターレ（J1）×高知ユナイテッドSC（JFL／高知県代表）
柏レイソル（J1）×北海道コンサドーレ札幌（J1）
栃木SC（J2）×アビスパ福岡（J1）
FC東京（J1）×ロアッソ熊本（J2）