フランクフルト、退団の鎌田大地は「歴史の本に載った」 クラブが功績を称える「決して偉そうなことを言う人でなかった」

フランクフルトでのラストマッチを終えた鎌田大地【写真:Getty Images】
フランクフルトでのラストマッチを終えた鎌田大地【写真:Getty Images】

公式戦179試合に出場し40ゴールをマーク

 日本代表MF鎌田大地はドイツ1部フランクフルトを今季限りで退団した。新天地としてイタリア1部の名門ACミランが浮上しているなか、“古巣”フランクフルトは鎌田の歴史とともに功績を称え、感謝を公式ホームページに公開。総集編となった動画や、長文で振り返るフランクフルトでの日々にクラブで愛された様子が伝わってくる。

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 鎌田は2017年夏にサガン鳥栖からフランクフルトへ入団。2018-19シーズンはベルギー1部シント=トロイデンへの期限付き移籍を経験したが、19年夏に復帰するとチームの主力へと成長を遂げた。UEFAヨーロッパリーグ(EL)優勝や、夢のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)へ出場し3得点をマーク。フランクフルトではブンデスリーガ127試合に出場し、20ゴールを挙げた。

 契約満了により今季いっぱいでフランクフルトを退団する鎌田には、欧州の複数クラブが関心。ドイツ1部ボルシア・ドルトムントやスペイン1部アトレティコ・マドリードなどが新天地候補に浮上してきたなか、最終的にセリエAで19度のスクデット獲得を誇る名門ミラン移籍へと迫っているとされている。

 そんななか、フランクフルトは鎌田の歴史を振り返る特集ページを公式ホームページで公開。「歴史の本に載った」と題して6年間過ごした鎌田に感謝を伝えている。「鎌田大地は決して偉そうなことを言う人ではなかった。フランクフルトの選手として、日本人はピッチ上で発言することを好んだ」と人柄を称えた。

 主力ではなかった最初のシーズンはクラブにとって20年ぶりのタイトルであるDFBポカール優勝を見守った。武者修行を終えて復帰した19年には「繊細ではあるが、当初細身のドリブラーだったとは思えなかった。より逞しく、自身を持っただけではなく、ますます効率的になった」とその成長ぶりに驚いたようだ。マリオ・ゲッツェらと戦い抜いたことでチームの原動力として活躍し始めた鎌田。公式戦は179試合に出場し、40ゴールをマークした。

 国内だけではなく、欧州の地でも輝いた。特に「2019-20年シーズンのEL、アーセナルFC戦で2-1とする2得点、4-1で勝利したノックアウトステージのザルツブルク戦のハットトリックは忘れられない」という。またCL3ゴールはチームの「若い歴史の中でトップスコアラーの1人」と称賛した。そして、2022年5月18日、レンジャーズ(スコットランド)とのEL決勝。PK戦に突入すると、3人目のキッカーとなった鎌田は右ポストをたたきながらもネットを揺らした。クラブは「おそらくもっとも重要なPKを決めた」としている。

 最後は「鎌田は傑出した選手の1人。フランクフルトは感謝の意を表します。アリガトウ ダイチ!」と締めくくっている。

 クラブにとっては活躍し続けた人材だけに、その別れは特別なものだったようだ。

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