闘莉王の胸に刻まれた欧州王者ミランとの激闘の記憶 「自分にとって夢の舞台だった」

「あの時のミランは本当に強かった」

 少年時代の闘莉王はパルメイラスのサポーターだったが、1992年大会と93年大会で連覇したサンパウロの強さは記憶に深く刻まれているという。ドリームチームと呼ばれた故ヨハン・クライフ監督率いるバルセロナと、ファビオ・カペッロ監督の率いる黄金期のACミランを撃破し、トヨタ杯連覇を果たした。ブラジル国民とともに、サッカー王国の威信を守った名門の優勝に、闘莉王少年も歓喜したようだ。

 それから14年の時を経て、闘莉王はアジア王者として2007年FIFAクラブワールドカップの舞台に立った。準決勝のミラン戦は、キャリアのハイライトだという。

「ACL決勝で戦ったイランのチーム(セパハン)と、豊田スタジアムで1回戦(準々決勝)を戦った。次の準決勝がミラン。自分にとっては夢の舞台だった。あの時のミランは、今のチームとは比べものにならない。本当に強いミランだった。今でも思うのは、準決勝でボカと当たりたかったということ。そうすれば決勝の舞台で、浦和はミランと戦うことができたかもしれない。決勝でミランはボカを圧倒していたからね。あの時のチームは本当に凄かった」

 セパハンを3-1で撃破した浦和は12月13日、06-07シーズンのUEFAチャンピオンズリーグを制覇したミランと準決勝で対戦した。ミランは準決勝で浦和を1-0で破り、決勝で南米王者ボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン)と対戦し、4-2と圧倒的な強さを見せつけていた。もし準決勝の相手がボカなら、自分たちが勝利し、決勝という大舞台でミランと対戦できたのではないか――。サッカーを語るうえで「たられば」は禁物とはいえ、その思いは闘莉王のキャリアのなかで大きなものとなっている。

 

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