Jリーグ30年間の「ベストシーン」は? ファンから借りる前代未聞のユニフォーム事件、歓喜中の失点珍事が上位候補か

30周年の節目を迎えたJリーグ【写真:Getty Images】
30周年の節目を迎えたJリーグ【写真:Getty Images】

Jリーグが「J30ベストアウォーズ」企画を実施中、27のベストシーン候補がノミネート

 1993年に開幕したJリーグは、今年の5月15日に30年の節目を迎える。Jリーグは「J30ベストアウォーズ」企画を実施中で、ファン・サポーターの投票を基に「MVP」「ベストイレブン」「ベストマッチ」「ベストシーン」「部門別ベストゴール」を決定するなか、Jリーグの特設サイト上で投票を呼び掛けている(投票期間:4月11日13時~4月21日18時/結果発表:5月15日の「Jリーグの日」)。今回は、その中から「ベストシーン」の紹介と選出予想をしてみたい。

 27個のシーンがピックアップされたこの部門では、“初〇〇”と名の付く場面や、ハートフルな場面、ちょっと笑ってしまうような場面、珍しい場面に加え、「ベストゴール」の企画には該当しないスーパープレーなど、さまざまなジャンルのものが取り上げられている。

 1993年Jリーグ開幕節で鹿島アントラーズの元ブラジル代表MFジーコがJリーグ初のハットトリックを達成した場面をはじめ、当時延長戦とPK戦まで行い必ず決着をつけるルールのなかで初のPK戦にもつれ込んだ試合もノミネート。水たまりでPK戦のシュートが止まってしまうという珍事も起きた。また、ヴィッセル神戸の元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタのJリーグ初ゴールや、日本代表MF久保建英(現レアル・ソシエダ)のJリーグ初ゴールも取り上げられている。

 ハートフルであり、笑いであり、珍事でもあったのが、サンフレッチェ広島がサポーターからユニフォームを借りて試合に臨んだゲームだ。近いところでは、2021年の最終節で浦和レッズ所属のDF槙野智章が、そのシーズンで勇退する村上伸次レフェリーにメッセージ入りのTシャツを見せた場面も取り上げられた。

レフェリーの「だって円だもん」、選手同士の「出ろよ! いや、無理!」も選出

 思わず笑いが出てしまう場面では、西村雄一レフェリーによる「だって円だもん」や、横浜FCの選手たちによる「出ろよ! いや、無理!」という試合中のコーチングの場面がピックアップ。珍しい場面では、浦和レッズが先制点を決めたあとに喜んでいる間にカウンターから失点した場面や、当時ヴァンフォーレ甲府に所属したFWバレーの「ダブルハットトリック」に、柏レイソルのFWオルンガによる1試合8ゴールもノミネートされている。

 スーパープレーでは、ヴェルディ川崎(当時)のMFラモス瑠偉とMFビスマルクがリフティングによるワンツーで浦和の守備陣を翻弄したもの、名古屋グランパスのFWドラガン・ストイコビッチによるリフティングドリブルや、日本代表MF三笘薫が川崎フロンターレ時代に見せた66.8メートル独走ドリブルなどが取り上げられている。

 ファン・サポーターによる思い入れもさまざまで、どんな場面が上位に来るのかの予想は非常に困難だが、前述したように多くの要素が絡み合った珍事と言える広島のユニフォーム事件は上位候補か。また、浦和のゴール後に喜んでいる間の失点は、Jリーグの歴史に残る珍事として有名。昨年のカタール・ワールドカップ(W杯)で活躍した久保や三笘のJリーグ時代のプレーも人気を集めるのではないだろうか。

 いずれにしても、これらの場面は全身全霊を懸けて目の前のゲームに打ち込んでるからこそ生まれるもの。今後のJリーグでも、このような人々を温かい気持ちや笑顔にする場面が生まれ続けるのは間違いないだろう。

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