J1リーグ“上昇”の気配漂う「5つのクラブ」 浦和が上位射程圏?…躍進期待のチーム厳選

浦和MFダヴィド・モーベルグ、広島FWナッシム・ベン・カリファ、鳥栖FW岩崎悠人【写真:Getty Images & 徳原隆元】
浦和MFダヴィド・モーベルグ、広島FWナッシム・ベン・カリファ、鳥栖FW岩崎悠人【写真:Getty Images & 徳原隆元】

【識者コラム】新シーズンでの躍進の期待が高い5クラブをピックアップ

 横浜F・マリノスが3年ぶりの優勝を飾った昨季のJ1リーグは、最終節までタイトルを懸けた熱き戦いが続いた。2023シーズンもかなりの混戦が予想される。極端な話をすれば、どのチームにも大なり小なり優勝のチャンスはあると見る。ここでは、新シーズンでの躍進の期待が高い5クラブをピックアップした。

■サンフレッチェ広島
(昨季J1成績:3位/15勝10分9敗/52得点41失点)

 サポーターはこの時期にあまり持ち上げすぎて欲しくないかもしれないが、優勝候補と見ている。昨シーズンは横浜F・マリノス、川崎フロンターレに次ぐ3位。ミヒャエル・スキッべ監督の下では2シーズン目となり、チームバランスが非常に良く、マイナス材料よりプラス材料が多い。

 ビッグネームの補強はないが、DF志知孝明(←アビスパ福岡)など、いかにも広島に合いそうなハイインテンシティーなタレントを加えており、フルシーズン戦える陣容が整った。FWナッシム・ベン・カリファなど良質な外国人選手がこぞって残留。さらなる飛躍が期待されるFW満田誠はもちろん、下部組織から昇格2年目となるFW棚田遼はブレイク候補だ。

■サガン鳥栖
(昨季J1成績:11位/9勝15分10敗/45得点44失点)

 川井健太監督が2年目となる今シーズン、主力の大量流出を食い止め、U-20日本代表候補のFW横山歩夢(←松本山雅FC)など、個人で違いを生み出せるタレントが加わっておりチームとしての伸びしろは大きい。高校年代の日本一になったユースから昇格した4人(DF大里皇馬、DF竹内諒太郎、MF坂井駿也、MF楢原慶輝)をはじめ、アンダー代表レベルのヤングタレントが揃う。

 そうした環境はFW岩崎悠人やMF長沼洋一など、中堅になりつつある選手にも良い刺激を生んでいる。日本国籍を取得したキャプテンGK朴一圭もさらに意欲的だ。昨シーズンは3バックをベースに後半戦は4バックも用いたが、今シーズンは戦術的なベースがすでにあるので、どちらの形も臨機応変に繰り出していけそうだ。J1王者の横浜F・マリノスなどをクオリティー面で上回るとは言い難いが上位争いに加わりながら、AFCアジアチャンピオンズリーグの出場権争いをするところまでは十分に期待できる。

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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