J1リーグ“上昇”の気配漂う「5つのクラブ」 浦和が上位射程圏?…躍進期待のチーム厳選

スコルジャ新監督を迎えた浦和、昨季9位からのジャンプアップも

■北海道コンサドーレ札幌
(昨季J1成績:10位/11勝12分11敗/45得点55失点)

 ミハイロ・ペトロヴィッチ体制6年目となる札幌。ハイラインのマンツーマンと“ミシャ式”と呼ばれるスライドしながら素早くボールを動かして、ワイドからチャンスを作り出すスタイルは基本的に変わらない。しかし、新加入のMF小林祐希(←ヴィッセル神戸)とDF馬場晴也(←東京ヴェルディ)がそこに明確なアクセントを生み出しそうだ。

 小林は経験豊富なテクニシャンで、昨シーズンの神戸で見せたクオリティーや勝負のツボを外さないゲームコントロールで、札幌に足りなかった勝負強さをもたらし得るだろう。一方の馬場は縦パスやミドルシュートに持ち味があり、もともとセンターバックをメインとするが、昨季の東京Vでも片鱗を見せたボランチで覚醒的な活躍をする可能性がある。DF田中駿汰をはじめ“準代表クラス”が多いが、そうした選手たちと刺激し合うことで、さらに個の力が引き上がれば、上位躍進も見えてくる。

■浦和レッズ
(昨季J1成績:9位/10勝15分9敗/48得点39失点)

 ポーランド人のマチェイ・スコルジャ新監督を迎え、チームの雰囲気はガラッと変わった印象がある。4-2-3-1のシンプルな戦術をベースとするが、ハイプレスからショートカウンターを狙うスタイルにおいて、うしろでボールを回すよりも迫力あるフィニッシュで攻め切る意識が選手たちを前向きに変えていきそうだ。

 そうしたなかで点も取れる「10番」を目指すMF小泉佳穂や大型ボランチMF伊藤敦樹が代表クラスに成長する期待も高い。もちろん、前がかりになるということはリスクも伴うが、DFアレクサンダー・ショルツという守備の要に加えて、左利きで空中戦に強いDFマリウス・ホイブラーテン(←ボーデ/グリムト)が加わり、1対1をしっかり守り抜ける布陣が整いつつある。チームはFWにもう1枚、ターゲットになりながら決定力を発揮できる「9番」を探しているようだが、そこが解決すれば昨季9位からのジャンプアップも射程圏だ。

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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