久保建英が証明したソシエダでの“存在価値” ダービーマッチは“最高の出来”…現地記者が「自信に満ち溢れている」と語る訳
【スペイン発コラム】ビルバオ戦で1ゴール、PK獲得のハイパフォーマンスに注目
スペイン1部レアル・ソシエダは現地時間1月14日、ラ・リーガ第17節で宿敵アスレティック・ビルバオをホームに迎えた。日本代表MF久保建英は自身初となる“バスクダービー”でスペイン移籍以降のベストゲームと言っても過言ではないハイパフォーマンスを披露し、この試合のマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)に輝いた。
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ダービー前、久保は「僕にとってアスレティックはマジョルカ時代に大敗を喫したことを除けば、いつもいい結果で終われた相手。個人としてもチームとしても大体いい形で終われている。昨季も3-2で勝利した際にアシストを記録したので、今回もそうなることを願っている」と得意な相手であることをアピールしていた。
リーグ戦3試合連続の先発出場を果たした久保は、最近の定位置になりつつある中盤ダイヤモンド型の4-4-2の右FWでプレーした。立ち上がりこそビルバオの激しいプレスに苦しむも、徐々にパフォーマンスを上げていく。そして前半37分、中盤でボールを奪った元スペイン代表MFダビド・シルバのスルーパスを受け、対峙したDFダニエル・ビビアンを完璧な股抜きで抜き去ると、スペイン代表の守護神ウナイ・シモン相手に、昨年10月のジローナ戦以来となる今季3点目のゴールを叩き込んだ。
久保は試合後、このシーンについて「ダビド(シルバ)がスルーパスを好きなことは分かっていたので、僕は外に開いた後、DFと対峙したので股抜きをトライしたら成功した。その後、左利きの選手は普段ファーポストを狙うものなので、反対にニアポストにシュートを打ちGKを欺くことができた」と、完璧だったゴールまでの一連の動作を振り返った。
しかし、この日の久保はこれだけに留まらない。後半15分にビルバオFWニコ・ウィリアムズのバックパスミスを拾うと、そのままドリブルを仕掛けてゴールに向かい、DFイェライ・アルバレスに倒されペナルティーキック(PK)を獲得。これをFWミケル・オヤルサバルが冷静に決め、9ヶ月半にもおよぶ長期負傷後の初ゴールをマーク。さらにイェライがこのファールで退場となり、その後は数的有利なソシエダが完全に主導権を握る試合となった。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。