日本代表での“支配力”を失う本田と香川 タイ&イラク戦のデータから見えた現実とは

3月のシリア戦では攻撃の中心として輝く

 今回のデータ分析は「Instat」社のデータを利用しているが、同社はほぼ世界中のプロリーグの試合をカバーしていて、毎週1000試合以上のデータを生成している。そこで各選手のパフォーマンスを客観的に測るためにいくつかのプレーデータを組み合わせて、Instat Indexという指標を作っている。香川のシリア戦でのInstat Indexは396ポイントで日本代表の中でトップだった。そして2位が本田の318ポイントだった。

 欧州ビッグクラブでの活躍が、日本代表でもそのまま反映されている形だ。チームメイトもそれが分かっているのだろう。シリア戦において最も多くのパスを受けていたのは香川の75本、続いて本田の67本だ。相手の裏やシュートにつながる決定的なパスを示すキーパスの本数も、香川が9本で1位、本田が4本で2位だった。1対1の状況で攻撃を仕掛けるプレーは香川が16回(成功率63%)で2位、本田が21回(成功率57%)で1位。ボールが集まるという面で信頼も厚く、本人もそれを積極的なプレーに生かしていたと言える。香川はこの試合5本のシュートを打って2得点1アシスト、本田は4本のシュートで1得点1アシストと、攻撃のキーマンとして十分な結果を残したと言える。

 ここまではポジティブなデータを列挙したが、調子の良かったシリア戦でもやや気になるデータがある。2人ともボールロストの数が多かった点だ。もちろん、それだけ多くのボールが集まり、トライをしていた結果とも言えるのだが、2人が記録した14本はチームワーストタイの数字で、5点差がついた試合としては失う回数が多かった印象だ。

 そのシリア戦から約5カ月後のタイ戦での香川、そして6カ月後のイラク戦での本田のパフォーマンスは、どのように変化したのだろうか。

図1 

 

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