日本代表での“支配力”を失う本田と香川 タイ&イラク戦のデータから見えた現実とは

所属クラブで出場機会を得られず、下降線を辿る“ダブルエース”

 6日にロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第3節のイラク戦に臨んだ日本代表は、後半アディショナルタイムに生まれたMF山口蛍の一撃によって2-1と勝利し、なんとか勝点3を積み上げることができた。劇的な展開に熱狂するスタジアムも、試合後に各メディアから出される称賛記事も何一つ否定するものではない。しかし、試合の出来栄え自体を評価した時、それが決して手放しで喜べるような内容でなかったことは、プレーした選手たち、そして監督自身が一番よく分かっているはずだ。

 この日のスターティングメンバーを見た時、前線の顔ぶれには二つのサプライズがあった。一つはMF香川真司が先発から外れたこと。そして、もう一つは今季所属するACミランでわずか“19分間”しかプレーしていないFW本田圭佑の名前が、いつもと変わらずメンバーリストに記されていたことだ。本田と香川のパフォーマンスを分析するために、本田は今回のイラク戦、香川は約1カ月前の9月6日に行われたW杯アジア最終予選第2節のタイ戦(2-0)、そして2人が揃ってフル出場した3月29日のW杯アジア2次予選第8節のシリア戦(5-0)のデータと比較してみたい。

 比較対象として3月29日の試合を選んだのは、2人が揃ってフル出場したことに加え、その時期に彼らが所属チームでもしっかりと出場機会を得ていたため、本来のパフォーマンスを十分に発揮できていたと考えられるからだ。

 昨季後半戦の香川は、2016年になって2試合目のブンデスリーガ第19節インゴルシュタット戦に先発して以降、ほぼ1試合おきに出たり出なかったりする状況ではあったが、シリア戦が行われた2試合前の第26節マインツ戦でフル出場して以降は、代表戦を挟んでほぼ先発フル出場という状況だった。本田に関しても2016年に突入後、シリア戦を迎えるまではミランにおいて全試合先発と、チーム内でしっかりと定位置を確保していた。

 それでは、香川のシリア戦とタイ戦、本田のシリア戦とイラク戦それぞれのパフォーマンスを計るデータを見てみたい。

 

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