PK戦の末に日大藤沢を撃破　失点に苦笑い「あのゴールは、ちょっと難しいです」

　第101回全国高校サッカー選手権は1月2日に各地で3回戦の試合が行われ、神村学園（鹿児島）は日大藤沢（神奈川）にペナルティーキック（PK）戦の末に勝利。主将のMF大迫塁は、先制点を奪われる展開にも自信が揺らぐことはなかったと明かした。

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　神村学園は卒業後にドイツ1部のボルシアMG入りが内定しているFW福田師王が大きな注目を集めているが、セレッソ大阪入りが内定している大迫もまた例年ならば最高レベルに注目を集めておかしくない存在。確かな左足の技術を持つ大迫は、2回戦の山梨学院（山梨）戦でも「試合の入りでは相手を観察して（プレーする）」と話していたが、この日もそうした戦術眼を見せていた。

　前半からサイドに起点を作ることの多かった神村学園。相手を見ながら有効な攻撃を繰り出す手段として、サイドに流れつつ崩しに掛かることをプレー中に選択したと大迫は振り返る。「ゲームをコントロールするのも自分の仕事。少し（サイドに）流れすぎたかもしれない」と反省した面もあったが、後半に1年生ながら10番を背負うMF名和田我空を左サイドハーフに投入すると、バランスがより安定した。大迫は中央から左右にボールを振りつつ、最後の崩しに関わっていくプレーを披露した。

　ところが神村学園は後半11分に先制点を献上。198センチの長身FW森重陽介のヘディングシュートがコーナーキックから決まったもので、大迫も「あのゴールは、ちょっと難しいです」と苦笑いを浮かべたが、1点ビハインドという事実は変わらなかった。それでも大迫は「80分間（前後半40分ハーフ）あれば1点は取れる。慌てることなくやっていこうと（声を掛けた）。失点は気にせずにやっていこうよと」と、チームの中心にある主将らしくチームを落ち着かせた。

　PK戦では1人目で登場すると冷静にシュートを叩き込んだ。大迫は「こういった苦しいゲームを勝ち切れるのが今年のチームの良さだと思う。より長い間、神村学園の試合を見てもらいたい。もちろん、次も勝って（準決勝の）国立競技場に行きたい。自信を持ってやっていきたい」と次を見据える。

　まずは過去最高成績のベスト4に並ぶための関門は、前回王者の青森山田（青森）に決まった。ゲームメーカー大迫とストライカー福田を擁する神村学園と、伝統的に高校サッカー屈指の堅守を誇る青森山田の対戦は、今大会注目の「ホコタテ対決」になりそうだ。