「正しい道を見つけられない」 中国、日韓との格差拡大に母国記者が嘆き「外野の声に左右されすぎ」

アジアは日本、韓国、豪州、イラン、サウジの5強体制

 マー・デーシン記者は「アジアは5強の争いだ」と、日本、韓国、オーストラリア、イラン、サウジアラビアの5強体制と強調。たしかに2006年のドイツ大会以降、5強以外でアジア勢から本大会出場したのは2010年の北朝鮮と、今大会開催国カタールしかない。

 事実、カタールW杯アジア最終予選で、イラン(勝ち点25)と韓国(同23)のグループで、3位のUAEは約半分の勝ち点12にとどまった。もう1グループもサウジアラビア(同23)と日本(同22)が抜け出し、3位オーストラリアも早々3位の座を確定した。マー・デーシン記者も「アジア勢の中でもトップレベルと、その下の格差が広がっているのが現状だ」と見解を述べる。

「4年後、北米3か国共同開催のW杯で、アジア勢は8.5枠を得る。前述5強は確定、加えてカタールも1席を得るだろう。そのほかの2流、3流の国々で残り2.5枠を争うのなら、中国も決して希望がない訳ではない」

 では、中国サッカーの問題は何か。マー・デーシン記者の考えは「外野の声に左右されすぎて、正しい道を見つけられない」。たしかに多くのメディアやファンにとって、中国代表は嘲笑の対象であり、けなされることはあれ褒められることは少ない。「問題は、決定権ある立場の人間も外野の声に左右されてしまう」と、まさに朝令暮改の中国サッカー協会や関係者を暗に批判する。

「プロサッカーは精密で、科学的で、システム化されるべきもの。悲しいのはみんな、『14億人の人口を有しながらなぜ11人のチームを選び出せないのか』という単純な思考にとどまっている。中国社会が短期的な成績のみを見るため、当面の希望を見出せない」

 サッカー界に限らず、中国社会全体には蔓延する功利を重視する傾向がある。「急いてはことを仕損じる」「千里の道も一歩から」――。中国サッカー関係者が噛み締めなければいけない言葉かもしれない。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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