日本サッカー史に残るW杯予選「劇的ゴール8選」 アジア勢との戦いで生まれた奇跡の瞬間とは

パワープレーから歓喜の一撃が生まれる

 ザックジャパンで臨んだ14年ブラジル大会はグループリーグ敗退に終わり、メキシコ代表で実績を積んだハビエル・アギーレ監督が就任したものの、金銭スキャンダルが発覚して監督交代。18年ロシア大会へ向けた予選は、バヒド・ハリルホジッチ監督の指揮下で戦っている。

 2次予選を軽々と突破した日本だったが、最終予選の立ち上がりは苦しんだ。ホーム初戦でUAEに1-2と敗れる失態を犯し、続くタイ戦は敵地で2-0の勝利を収めたが、第3戦となった16年10月6日の本拠地イラク戦でも苦戦を強いられた。

 前半26分にFW原口元気の芸術的なゴールで先制したものの、後半15分にセットプレーから失点。1-1のまま終盤を迎えてDF吉田を前線に残すパワープレーに出ると、後半アディショナルタイムにその吉田が前線で粘り、左サイドでFKを獲得。ここから歓喜の一撃が生まれる。

 清武が中央に蹴り込んだボールはイラクDFに一度クリアされたが、そこに走り込んできたのは、この日が26歳の誕生日で途中出場のMF山口蛍だった。右足ダイレクトで合わせたボールは、地を這うような弾道でゴールに突き刺さり、劇的な決勝弾。ホームで2戦連続未勝利という最悪のシナリオを回避する一撃となった。

 アジアの厳しさを味わうW杯予選で、日本は数々の劇的なゴールで道を切り開いてきた。イラク戦で山口が決めた一撃も、ロシアW杯への道のりを振り返る際、鮮明な記憶とともに語り継がれるゴールとなるはずだ。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

田口有史、ゲッティイメージズ●写真 photo by Yukihito Taguchi , Getty Images

 

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