【W杯】金田喜稔がドイツ戦出場16選手を採点 「まさに心臓」「物足りなかった」選手は?

相手のウイークポイントをあぶり出した伊東、遠藤は“デュエル王”が分かる出来

<MF>
■遠藤 航(シュツットガルト)=★★★★★(5つ星)
 ドイツでデュエル王に輝いたのが分かる出来。このレベルの相手に対して、鋭い読みと寄せ、見事な身体のぶつけ方、ボールを取られないキープも見せてくれた。非常に良かったと思う。まさに「日本の心臓」という感じだった。

■田中 碧(デュッセルドルフ)=★★★☆☆(3つ星)
→後半26分OUT
 チーム全体でボールの取りどころがなく、機能不全に陥った。キミッヒとギュンドアンをケアしつつ、厳しく寄せられる場面が少なかった。ただし、これはチームの問題でもある。あれだけ目まぐるしくパス交換され、ポジションチェンジもされたら後手を踏むのも当然。それでも攻守でより存在感を示したかった。田中と久保はこの日物足りなかった。

■伊東純也(スタッド・ランス)=★★★★★(5つ星)
 前半は、オフサイドになったものの前田へのラストパスは完璧だった。わずかに前田が出ていたが、形としては申し分なかったし、伊東の良さも発揮された場面。前を向いて仕掛けると本当に怖い存在。相手サイドバックとセンターバックのところを上手く突いて迷いを生じさせていた。それにより相手のウイークポイントが見えたし、あぶり出したのは伊東の突破だった。

■鎌田大地(フランクフルト)=★★★★☆(4つ星)
 前半は見せ場が少なく、持ち味を発揮できる展開ではなかった。後半にボランチへ回って、クラブでも起用されているポジションということもあり、すんなりとプレーしていた。やはり鎌田のところで可能性を感じさせてくれる。本来はもっと攻撃に絡む姿を見たいところだが、昨日の展開だとやれることは限られる。コンディション的には非常に良さそうで、今後に期待は高まる。

■久保建英(レアル・ソシエダ)=★★★☆☆(3つ星)
→ハーフタイムOUT
 なかなか難しい展開だった。ドリブルしても寄せられ、ボールを奪われていた。キープ力を駆使し、そこに鎌田や長友が絡めれば良かったが、その場面は少なかった。それでもシュートやクロスからチャンスを作ってほしかったと思うし、それができるだけの選手。この日は目立ったプレーもなく、能力も発揮できないまま交代した。

<FW>
■前田大然(セルティック)=★★★★☆(4つ星)
→後半12分OUT
 激しいアップダウンを繰り返し、前線からボールを追っていた。相手キーパーにボールを戻されて追うだけになっていたが、その追う行為がボディーブローのように利いていたように思う。結果的に後半、相手の勢いと運動量が落ちていた。ただし、うしろからの連動性は改善点。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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