【W杯】「戦術はこれしかない」 強敵ドイツ撃破へ日本代表OBが推奨するスタメンは?

栗原勇蔵氏がドイツ戦のスタメンを予想【画像:FOOTBALL ZONE編集部】
栗原勇蔵氏がドイツ戦のスタメンを予想【画像:FOOTBALL ZONE編集部】

【専門家の目|栗原勇蔵】1トップに前田、左サイドに久保でチェイシング勝負

 森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング24位)は11月23日、カタール・ワールドカップ(W杯)グループリーグ初戦でドイツ代表(同11位)と対戦する。大会優勝4回を誇る強豪国との真剣勝負。元日本代表DF栗原勇蔵氏に見どころを訊いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 W杯本大会でドイツ代表(同11位)、コスタリカ代表(同31位)、スペイン代表(同7位)と対戦する森保ジャパン。11月17日にアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催されたカナダ代表(同41位)とのW杯前最後のテストマッチは1-2で敗れる結果となった。

 この試合では、MF遠藤航(シュツットガルト)、MF守田英正(スポルティング)、DF冨安健洋(アーセナル)、MF三笘薫(ブライトン)が欠場したが、ドイツ戦の前日練習では全26人が公開されたトレーニングには参加しており、フルメンバーが組める状態と目される。

 栗原氏は、守備陣をGK権田修一(清水エスパルス)、DF酒井宏樹(浦和レッズ)、DF冨安健洋(アーセナル)、DF吉田麻也(シャルケ)、DF長友佑都(FC東京)と順当にW杯アジア最終予選での主力を予想。ダブルボランチも、脳震とうから回復した遠藤、左ふくらはぎの違和感から練習合流した守田と“鉄板の2人”を並べた。

 2列目のポイントは左サイドだ。攻撃の軸であるMF伊東純也(スタッド・ランス)の右、好調をキープするMF鎌田大地(フランクフルト)のトップ下は不動として、残る左にカナダ戦で先発したMF久保建英(レアル・ソシエダ)、遅れてチームに合流した三笘、国内組のMF相馬勇紀(名古屋グランパス)の誰を起用するか。栗原氏は「三笘の状態次第」としつつ、1トップにFW前田大然(セルティック)を置く“チェイシング戦術”では、久保のほうがより効果的と指摘する。

「三笘はスタートで行ってイマイチの試合があったのに加え、今は体調不良から回復したばかり。久保のほうがチェイシングをかけやすいし、久保でドイツの体力を落として、勝負どころで三笘を使うのが効果的だと思います。カナダ戦では上田綺世も存在感を示しましたけど、森保監督は9月シリーズのアメリカ戦の再現を狙って、前からプレスに行くはず。まともに戦ったら、力はドイツのほうが上。勝負にこだわるなら戦術はこれしかない」

 栗原氏は、序盤に前からのプレスがハマるかが勝敗の鍵とし、「(プレスを)外されても次々と仕掛けたほうがいい」とメッセージを送る。

「前田大然の何回も来るプレスは世界で見てもそうそうない。ハマればチャンスがあると思います。前田大然のところで相手を慌てさせて、次のプレスに行くのが理想。やはり、うしろからのビルドアップから点を取るのは難しい。相手のゴールに近い位置でボールを奪えれば得点できる可能性も高いし、裏のケアをしっかりしていればいい戦いができるはずです。あとは攻守のセットプレーが鍵ですね。相手もGKのところを目がけて狙ってくるはずなので、セットプレーでやられるとチームとしてガクっと来てしまう」

 グループリーグ突破に向けては初戦の結果が大きな影響を及ぼすだけに、ドイツを脅かすような戦いを見せたいところだ。

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栗原勇蔵

くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。

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