温泉や旅館が大好き Jリーグ10年目の韓国人DFファン・ソッコ、日本の“おもてなし精神”に感銘「尊重し合う文化がある」

広島、鹿島、清水、鳥栖と所属し、プレーはより洗練されてきた【写真:Getty Images】
広島、鹿島、清水、鳥栖と所属し、プレーはより洗練されてきた【写真:Getty Images】

箱根、湯布院など人気の温泉や旅館巡りが趣味

 温泉や旅館好きというファン・ソッコは、家族で過ごしたオフに日本の“おもてなし”に触れたことが今も強く印象に残っていると振り返る。

「家族で旅行に行った際、旅館の方たちの振る舞い、おもてなしに感銘を受けました。私や妻だけではなく、子供たちにもしっかりと目線を合わせ、会話をしてくれたのは今でも覚えていて、日本文化特有のおもてなしの心は素晴らしいと思います。日本に来てから温泉を好きになって、箱根、湯布院、黒川温泉……、人気の温泉を調べて足を運んできました(笑)。韓国にも温泉はありますが、日本のような情緒あふれる温泉は少ないです」

 日本での生活は10年目を迎えたなかで、「正直、外国に住んでいる感覚はなくなってきました(笑)」と話すファン・ソッコ。これまでJリーグで広島(2012~14年)、鹿島アントラーズ(15~16年)、清水エスパルス(18~20年)、鳥栖(21年~)と4クラブでプレーし、22歳で来日した頃とは物事の考え方も変わってきているという。

「今年で33歳になりました。プレーの浮き沈みは減ってきて、どしっと構えられるようになりましたし、冷静さが出てきたかなと思います。いろいろな経験をしてきた今だからこそ、若手に伝えられることも多くなってきました。意識しているのは、『チームスポーツは1人では何もできない』ということ。みんなと協力し合って、いつもチームがいい方向に進めるよう、言動には気を付けています」

 もちろん、10年の月日の中で、プレー面の成長も感じている。そのなかでは、キャリア最初のクラブである広島で培ったものが今の自分を形成するうえで、大きなファクターになっていると考えているようだ。

「サンフレッチェ広島在籍時には戦術、技術(味方を助ける動き、攻守両面のサポート)はもちろんのこと、プロとしての姿勢、苦しい時・悔しい時の立ち振る舞いの仕方を身近にいたいい先輩たちから学ぶことができました。当時の広島はミシャさんのサッカーをベースとしながら、森保さんの組織的な守備が上手く融合したチームでした。練習からハイレベルで頭と身体が疲れましたが、上手くなっていく実感があったので毎日が充実していました。プロ1年目を広島でスタートできたことは大きな財産ですし、Jリーグで通用するメンタリティーを培うことができました」

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